火焔菜 (カエンサイ/レッドビート:red beet Beta vulgaris vulgaris L.)
ビート(ビーツ)は地中海沿岸が原産とされるアカザ科フダンソウ属の根菜です 砂糖の原料に使われる甜菜(テンサイ)と同系で ショ糖を多く含んでいるので野菜の中では最も糖度が高いと言われています 標準和名では火焔菜(カエンサイ)と呼ばれ 日本へは江戸時代初期頃に持ち込まれました
国内では“ビーツ”と呼ばれる事が多いですが 本場アメリカでは“table beet(テーブルビート)”または“beet(ビート)”の名前で呼ばれ イギリスでは“beetroot(ビートルート)”と呼ばれる事が多いようです またフランスでは“betterave(ベトラーブ/ベートラブ)”と呼ばれています 西洋から東欧にかけて古代より身近な野菜として親しまれていますが ロシアの赤いシチュー“ボルシチ”には欠かせない食材として有名です
ビートは主に根部を食用としますが 若葉は緑に赤筋が綺麗なのでベビーリーフの一つとしても用いられています 大きく育った葉柄は食べられない訳ではありませんが 癖が強いので一般的には敬遠されています 根部は小蕪程の大きさで輪切りにすると綺麗な年輪模様が出ます 品種や栽培環境などによって白い部分が多かったり 全体に濃い赤紫のだったりするそうです
さて… 私共日本料理の調理人には縁が薄く 扱い慣れないこの西洋野菜
さっぱりとソルベ(シャーベット)に仕立てました
ビートが持つ独特の味わい…人参類にみられるカロチン系ではない果肉が醸す味わい
サラダや和え物など 応用範囲の広い 勉強し甲斐のある野菜だと実感しました