二百十日 | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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二百十日281  

雑節/二百十日 (にひゃくとおか) 九月壱日(閏年/八月参拾壱日) 

季節の移り変わりを計る目安“特異点”の一つで 立春を起算日とし210日目を指し表す雑節です 

稲穂の開花時と台風襲来で天気が荒れ易い特異日が重なる事で 古来より日本の農家達からは災害を齎す“厄日”とされてきました 八朔(旧暦8月1日)/二百二十日と並び 農家の三大厄日とされています 

 

二百十日は 江戸中期の暦学者/安井算哲が編纂した「貞享暦」(1865)に始めて暦として採用され 今日に至っています しかし日本の農家達は伝来と経験で「貞享暦」の暦に採用される遥か以前より 立春から二百十日-二百二十日頃 毎年暴風雨による災害に逢う事を認知していました 

 

かなり古い時代から各地で風鎮めの祭りが行われ続けており 奈良県大和神社で二百十日前3日に行う「風鎮祭」 富山県富山市八尾町の「おわら風の盆」などが有名です 

 

ただ この日に“必ずしも台風が来る”という事実は無く 寧ろ8月下旬-9月中旬の台風襲来の山に挟まれ 二百十日頃の台風は少ないのが実情です 先人達はこの頃が丁度稲の出穂期に当たり 強風が吹くと減収となる恐れがあるために 農家達に注意を喚起する意味で伝えられ始めたのであろうとされています