桜鯛ノ子 | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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桜鯛ノ子 

産卵期を迎えた真鯛(雌)の卵巣は濃厚な円熟味が愉しめる旬の産物です 調理法は多岐に亘りますが素材の旨味を一番味わえるのは薄味でさっと焚き締める“含め煮” 料理屋では定番メニューです 
 
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一般的に見掛ける“鯛の子煮”は卵巣を下処理した後 適大に切分け皮部をそり返して調理したもの 

“春は花開く”季節の風情を素材に反映させた手法です 口中でほろりと溶ける悲哀さも春ならでは 

 
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様々な魚介の中でも 真鯛の卵巣は粘り気が希薄で味が淡白なので味付けは腕の見せ所です 

他の食材/青果と抱き合わせても綺麗ですが わさびやでは食感を考えて鯛の子単体で誂え提供します 

 

補足 

 
助子2831鱈子2831  
左)助惣鱈の卵巣 右)真鱈の卵巣 

鯛の子とよく混合されますが 上記2種の卵巣は旬期が冬 スケソウダラの卵巣は“助子” 真鱈の卵巣は“マダラ子”の別称で知られています 近年はスケソウダラの卵巣が広く出回っており 御節料理や煮物に多用されています 粘りがあり旨味も豊富なのが万人受けしたのでしょうか 

 

タラコ ”はスケソウダラの卵巣を塩蔵した加工食品の呼称で “明太子”の名前は朝鮮語でタラの卵巣を“明太(ミョンタ)”と言うところから真似て造語したところに由来しています