漉油 (コシアブラ Eleutherococcus sciadophylloides)
北海道-九州と広く分布し若芽は可愛らしい葉蕾ですが 最大で20㍍に成長するウコギ科の落葉高木です 同科の“タラ”や“ウド”と葉柄が似ていますが季節独特のアクはありつつも青々しい苦さと旨味も併せ持つ山菜で市場では高値で取引されています 因みに中国地方では“バカ”の通称で知られ 若芽は「バカの芽」と呼ばれ重宝されています
幹から得られる樹脂は加工すると黄金色に輝く“金漆(ごんぜつ)”と呼ばれる塗料原料として 古くより工芸用塗料として珍重され続けましたが 長くその加工法は忘れ去られ現在は断絶しています コシアブラの和名は“漉し油”を意味し この樹脂の利用に因んで“漉油”の由来になっています
写真の“胡麻和え”は頂きものですが 漉油の特長を見事に活かした絶妙な味付けでした
山菜は苦味やアクを考慮した濃い目の味付けになりがちですが 小細工無しの素晴らしさに感動です