「美味しさ」の基準 | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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味の好みを決める4つの「美味しさ」とは? 
  
人は誰にでも“食べ物の好み”があります ある人が「美味しい!!」と思うものを他の人があまり好きじゃないのはよくある事です 食の嗜好という性質は 個人差がとても大きいものです  
 
しかし よく考えてみるとこの“食の嗜好”は個人差があるとはいえ不思議な現象です 人間以外の動物ではここまで食の好みがブレる事が見られません 笹が嫌いなパンダなんて聞いたことないですよね? でも人間では同じ甘い食べ物でも好き嫌いが大きく分かれます  
  
人間の“食の嗜好”は他の動物達とは違うメカニズムで決まるのでしょうか? 人間の食嗜好には “生きる”という動物共通の目的のみならず“楽しむ”という側面が有ります これが人生を豊かにする一方で煩悩のように私たちを悩ませてもいるのです 「美味しさの仕組み」を 
  
  
本能的なおいしさ 人間特有のおいしさ  

人間が「美味しい」と感じる仕組みには大きく分けて4つのタイプがあります 
   
  
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1.「生理的な美味しさ」 
   
体に必要な栄養素を含む味を美味しいと感じる仕組みで 人間だけでなく全ての動物がこの性質を持っています 例えば汗をかいたら塩味が欲しくなるような性質です 脳の働きで例えれば視床下部の様な本能と直結する部位の作用と考えられています 
  
これに対し人間の大脳皮質が作り出す ヒト特有の美味しさの仕組みもあります(以下2.3.) 
     
  
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2.「文化的な美味しさ」  
  
幼い頃によく食べた味を好ましく感じるもので 海外滞在中に食べる和食がやたら美味しいと感じるのが典型例です いわばお袋の味を好む性質です 
   
  
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3.「情報による美味しさ」  
  
値段の高いワインほど美味しいと感じたり “通の味.本格派”などと形容される味を学び 好むようになる性質です 他の動物にはないこの二つの仕組みが働いて 人間にしかない独特の嗜好が作り出されるのです 
  
因みに通の味というのは大抵苦み.酸みが強く 生理的な美味しさの観点から見ると寧ろ対極的な成分サインが多いです 本能的には避けたい味です 人間はそのサインを敢えて“これが通の味”という情報を元に食べこなし スリルや達成感を味わっています 人ならではの手の込んだ楽しみ方と言えます  
  
  
砂糖と油の味が病みつきになる理由  
   
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4.「病みつきの美味しさ」   
   
人間以外の動物も持っている性質ですが 人為的に精製した食品を食べた時 特に強く表れる仕組みです 一例ですがネズミを普通の餌で育てると 満腹になったら自然と食欲にブレーキが掛かり太りません 
しかし精製した砂糖や油を与えると食欲ブレーキが掛からずどんどん太ります そんな自力では抑制出来ない 厄介な“美味しさ”があるのです  
  
確かに “止まらない味”というのはあります これは脳内に有る「報酬系」という神経回路の作用だと言われています 砂糖や油の味はこの回路を強く刺激するため 私達はえもいわれぬ快感を感じ つい食べる手が止まらなくなります 
糖分や脂肪は動物が生きていく上で貴重なエネルギー源です その味を際立って美味しいと感じる能力は 本来なら生命維持に役立つ筈 でも快楽を追求するあまり人間は純粋な砂糖や油を作り出しました それが皮肉にも今 人間の健康を脅かしているのです  

そして 病みつき化する味が別にもう1つあります それは出汁の“旨味” これを子供時分からよく食べた人はこの味でも脳内の報酬系が働くようです つまり和食本来の味に対しても砂糖や油並みの快感を感じるという事です 
和食でそこまで満足出来ればダイエットも難しくありません それには子供の時の食生活がカギ 子育て中のお母さんには是非子供にそんな「美味しさ」を身につけさせて欲しいです