鰻 米.豪.アフリカ産に活路 | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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beiunagi0713   

  
3年連続の稚魚不漁で鰻が高騰し 国内で消費されてきた国産や中国.台湾産のウナギとは異なる海外産の異種鰻が注目されている これまで生きた状態で輸入される事が殆どなかった米国や豪州.アフリカなどから続々と上陸を果たしている「土用の丑」は7月27日だ 
  
米国産 料理店に登場「味付け工夫」  
  
東京.新橋の鰻専門店「うなぎのお宿」 5月中旬昼限定メニューに大西洋側で捕れた米国産鰻のうな重が登場した 6月上旬まで1日10食限定で1,300円 店で出す中国や台湾産の養殖ウナギのうな重よりも200円安くした 直営する鰻問屋の駿河淡水(吉田町)は「鰻の高騰は辛いが色んな鰻を食べて貰う機会にしたい」 
 
天然で脂は少な目 通常よりも1回多くタレに潜らせて焼き濃い目の味付けにした 「賛否はあったがさっぱり食べられると好評だった」 連日完売の人気だったという 輸入したのは東京の瑞祥食品 国産や中国産に比べれば3~4割安い 荒川徳仁社長は「タレや焼き方を工夫すれば遜色がない」と自信をみせる 
  
タスマニア産 重量は3倍  
  
水産加工や卸販売の海老仙(浜松市)は数年前から豪州タスマニア産の天然ウナギを取扱う ニホンウナギよりも一回り大きく重量は3倍近い 肉厚なのが特徴で東京の築地市場へ出荷する他 京都の日本料理店に卸した事もあるという 加茂直哉取締役は「今年は問合わせが多い 扱い量は昨年の倍」と話す 
  
マダガスカル産4割安「脂のる」  
  
日本初というアフリカのマダガスカル産の養殖ウナギの輸入も始まった 鰻加工販売の浜名湖相兼水産(浜松市)が6月末150㌔を取り寄せた 相曽貴夫社長は「鰻が高くなりすぎて消費者にそっぽを向かれた 鰻離れを食い止めないと業界が廃れてしまう」と危機感を持つ 国産よりも4割安い値段で流通させ鰻の消費増を狙う 「養殖なので品質が安定し纏まった量を確保出来る 癖の無い味で脂のりも良い」と期待を寄せる 
  
輸入元の昭栄商会はバイク部品などを扱う商社 8月下旬から毎週1㌧を空輸する計画で既に引合いが殺到しているという かば焼き専門店で構成される全国鰻蒲焼商組合連合会/湧井恭行理事長は「美味しければすぐにでも使いたいが異種ウナギは未知数 養殖が増えて品質改良が進めば期待出来るかもしれない」と話している 
  
稚魚 輸入する動きも  
  
養殖用鰻の稚魚シラスウナギは1960年代に232㌧捕れた年もあったが今年は3年連続で10㌧を割込みそうだ 価格も急上昇し1㌔/200万円台半ばまで値上がりした 「適正」とされる30万~50万円を遥かに超えた そこで異種のウナギをシラスの段階で輸入する動きもある 
  
財務省貿易統計によると 今年は昨年になかった米国やマダガスカル.インドネシアからシラスウナギが輸入されている 一部の養鰻業者が試験的に養殖しているとみられる 日本養鰻漁業協同組合連合会(静岡市)の若林稔参事は「異種ウナギの養殖は難しい」と話す 同会は10年以上前欧州や米国.フィリピンなどの5種を養殖 ところが出荷できる大きさに育ったのはごく僅か 病気や餌が合わなかったという   
  
「浜名湖うなぎ」で知られる浜名湖養魚漁業協同組合(浜松市)も嘗てフランス産シラスウナギを養殖したことがあったが失敗した 担当者は「産地のブランドを守る為にもニホンウナギに拘りたいが資源が枯渇しているとすれば考えないといけない」と話す 水産庁栽培養殖課は「異種のシラスウナギが逃出すと 生態系に影響を与える可能性がある 養鰻団体を通じて管理を徹底するよう注意を呼びかけている」としている