国産ウナギ激減.高騰 ついにアフリカ産輸入解禁か | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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国産うなぎ稚魚0709   

  
鰻の稚魚(シラスウナギ)が激減し それに伴いウナギも現象し価格が高騰し続けています 鰻は元々日常食品では無かったのですが大量消費社会になって恰も日常食品が如く今ではスーパーでも見掛ける様になりました 消費量が増えれば当然鰻の減少は起こりうる現象です 

同様な例では嘗て“ニシン”が乱獲.大量消費の為枯渇した事例があります 現在は鰻だけでなく蟹や鮪も激減しています 大量消費社会は頭打ち状態と言っても良いでしょう 
  
この背景に日本漁法の根本的問題も大きく介在しています 問題の根源…それは“乱獲”です 儲け第一主義で魚介資源再生産の許容数を超えた漁獲をする事を続け しかも産卵前の魚介すら取ってしまうので必然的に魚介の繁殖数が減り個体数が減って行く それが流通機構にのってスーパーに並び大量消費され日本人は自ら魚介資源を枯渇させてきました 悲しきかな鰻も同じ道を歩んでいるのです 
  
漁業は魚介の自然界再生産を考えた漁法へシフトし 消費者は資源の大切さ.有限である事を自覚しつつ食生活を送る そういう社会に切替えて行かなければ近い未来とんでもないことになるでしょう 

美味い物を安く毎日でも食べたいという現代人の欲望のツケは子孫に回される羽目になります このままだと我々の子孫はエビもカニもマグロも そしてウナギも図鑑でしかお目にかかれないという悲しい事態を招くでしょう 
 
老子曰く「足るを知る」 アフリカ産まで輸入してウナギを供給する必要があるのでしょうか? 

  

うなぎ激減 アフリカ産を初輸入(NHK07/03 16時) 
  
うなぎN1  

  
鰻は近年 稚魚が減り供給量が激減していますが消費が増える夏を迎え 量が豊富なアフリカ産を輸入する新たな動きが出始め 関係者は安定供給に目処が立つのではないかと期待しています 鰻は近年 稚魚の極端な不漁が続き日本鰻(うなぎ)輸入組合によると 供給量は最盛期の1/20に激減しています 

  
うなぎN2   

  
こうした状況を受け 消費が増える夏を迎えて静岡県浜松市の卸業者が先月下旬アフリカ・マダガスカル産の食用鰻の輸入に踏切りました また東京の業者も今週中にもマダガスカルからうなぎを輸入する予定です 

組合によればこれまで輸入の実績があるヨーロッパ産やオーストラリア産は出荷に制限がかけられ 稚魚が豊富で量が確保できるアフリカ産が注目されるようになったという事で日本への輸入は初めてという事です 
  
アフリカ産は現在高騰が続いている日本の鰻の6割程の価格で流通が可能という事で 2つの業者は味や調理のし易さを確認し 問題がなければ流通に乗せることにしています 浜松うなぎ販売組合の加茂仙一郎副組合長は「この夏鰻を提供できるか不安があったがこれで安定供給にめどが立つのではないか」と話しています  
  
うなぎ高騰の理由 
  
何故うなぎの値段がこんなに高騰したのか? 最大要因は鰻の稚魚(シラスウナギ)が激減しているためです ピーク時の昭和30年代には全国で200㌧を超えていたシラスウナギの漁獲量は年々減少し 去年は僅か9.5㌧まで激減しています 

これに伴いシラスウナギの価格もまさに“うなぎ登り”で上昇 平成18年に1㌔/26万6,000円だった価格が去年は3倍以上の1㌔/86万5,000円まで高騰しました  
   
うなぎN3   

  
シラスウナギ減少の理由は明確ではありませんが 専門家はエルニーニョ現象などによる海流変化に加え 乱獲が原因ではないかと見ています 実は国内で消費されているうなぎの6割近くは中国や台湾産です しかしその多くが国産と同海域で育ったシラスウナギの為 中国や台湾産も同時に減少しています 
  
うなぎN4   

  
こうした状況の中 これまでとは別海域で育った鰻に注目が集まっています その1つがオーストラリア/タスマニア 鰻の産地として知られる静岡県浜松市にある水産卸会社では タスマニア産ウナギを販売していますが 国産と比べ1.5倍近い大きさ この会社では5年前から細々とタスマニア産ウナギを扱ってきたが 最近のうなぎの高騰で輸送費などのコストを入れてもタスマニア産の方が割安感が出てきているそうです 

この為今年に入って専門店や小売店などからの引合いが増え出荷量は去年の2倍にまで増加しているとの事です 
  
うなぎN5   

  
しかし オーストラリアなどから来る鰻は絶対量が少なく国内の需要を満たすには十分ではありません また卵から養殖する技術が完全には確立されていない為シラスウナギの漁獲量を減らすしか有効な対策はないというのが実情だと言われています 

日本の伝統食でもある鰻を今後も食べ続けていくにはウナギを有限な資源として守っていく事が不可欠だと専門家は指摘しています 
  
東京海洋大学大学院/田中栄次教授は「日本近海で鰻は卵を産む前に捕獲されてかば焼きになり 卵を産む親がますます減っていくという悪循環に陥っている 鰻の消費量を少し抑え資源の回復を図る事が必要な時期にきている 

中国や台湾等と協力して資源管理に取組まないと鰻の資源を持続的に利用できない状況まで来ている」と警鐘を鳴らしています 教授が指摘する資源管理に関し水産庁や業界団体の間ではシラスウナギの漁獲量を制限する等の対策を検討する動きが出始めています 
   

  
・NHK Web特集06/13「うなぎ過去最高水準の高値に」