役員賞与の会社法上の取り扱いについて | 田舎で暮らす公認会計士のBlog(田舎暮らし編)

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新会社法では従来の役員賞与の取り扱いが役員報酬と同じ扱いとなりました。


つまり、利益処分項目であった役員賞与が役員報酬とセットで定款若しくは株主総会決議事項という位置づけに変わったのです。


整理すると。。。


【従来の役員報酬】

取締役が受けるべく報酬については定款に記載若しくは株主総会の決議事項が必要(269条1項)。


【従来の役員賞与】

役員の報酬とは別に、利益処分項目のひとつとして株主配当決議と並べて株主総会の承認が必要(商法283条第1項、281条1項4号)。


【新会社法での報酬、賞与】

取締役の報酬、賞与、その他職務執行上の対価として会社から受ける財産上の利益は報酬等として定款に記載若しくは株主総会の決議が必要(会社法361条)

さらに、361条では報酬等のうち、①確定金額についてはその額を、②未確定部分についてはその具体的な算定方法を定款もしくは総会で決議することを求めています(従来の商法269条も同じですが)


ということは、従来の役員賞与を361条の①扱いにするのか、②扱いにするのかを各社あらかじめ決定しなければならないことになります。


役員賞与を①扱いにしてその枠内で支給すれば従来のような総会決議は不要となるでしょうし、②扱いしての算定方法を定款に記載すれば、やはり別途株主総会の決議は不要になるでしょう。ただし②扱いにして定款に算定方法の記載がなければ別途株主総会決議が必要となりそうです。ただし、その場合も額だけではなく算定方法の開示説明が必要となるとおもいます。


従来から業績連動型の役員賞与を支給している会社は②になるでしょうが、ある程度業績がよければ一定額を支給するといった会社の場合は①とするほうが扱いやすいのではないでしょうか。具体的な算定方法といっても特に明確にあるわけでもないでしょうし。そうなれば次の総会で①の額の枠を広げておいたほうがよさそうですね。


また、来期から会計上は役員賞与について費用処理が必要となることから、賞与といえども事前に金額を(もしくは算定方法を)決定しておいたほうがよさそうです。


税務上の取り扱いも、事前に確定金額の届出をした場合の特定月の増額支払い(法人税法改正案第34条1項2号)や、利益変動型の報酬に関しても一定の要件を満たせば(同34条1項3号)損金算入を認める方向で検討がなされているようですので税務上の取り扱いも含めて会社法上の取り扱いを決定するといいでしょう。


*********************:参考条文*************************************************************************

旧商法

(取締役の報酬)

第二百六十九条  取締役ガ受クベキ報酬ニ付テノ左ニ掲グル事項ハ定款ニ之ヲ定メザリシトキハ株主総会ノ決議ヲ以テ之ヲ定ム
一  報酬中額ガ確定シタルモノニ付テハ其ノ額
二  報酬中額ガ確定セザルモノニ付テハ其ノ具体的ナル算定ノ方法
三  報酬中金銭ニ非ザルモノニ付テハ其ノ具体的ナル内容
2 株主総会ニ前項第二号又ハ第三号ニ規定スル報酬ノ新設又ハ改定ニ関スル議案ヲ提出シタル取締役ハ其ノ株主総会ニ於テ其ノ報酬ヲ相当トスル理由ヲ開示スルコトヲ要ス

新会社法

(取締役の報酬等)
第三百六十一条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける
財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、
定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
一 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額
二 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法
三 報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容
2 前項第二号又は第三号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。


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