年金資産>PBOの場合の取り扱い | 田舎で暮らす公認会計士のBlog(田舎暮らし編)

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結婚を機に27歳で丹波篠山での田舎暮らしに踏み切りました。
とはいっても大阪に勤務しながら、都会と田舎のいいとこ取りしてます。
田舎生活8年目。田舎生活や篠山の魅力を皆様に広めたいと思います。

今日も悩める会計ネタです(+_+)。
ある米国会計士の鎌倉からロンドンへの道でも何度か取り上げられておりましたが、

個人的にはこの処理、ずーーーと悩んでいました。しかし、上記のブログや最近退職給付実務指針が改正された事もあってようやく理解できてきました。ありがとうございます。

退職給付会計基準注解1には、「実際運用収益が期待運用収益を超過した事による数理計算上の差異の発生または、給付水準の引き下げによる過去勤務債務の発生により、年金資産>PBO(退職給付債務)となっている場合には、PBOを超過している年金資産は、当該超過部分を資産および利益としてはならない」と記されています。

では、どうするのか?
当該超過額は「未認識数理差異」または「未認識過去勤務債務」として償却していくのではなく、「未認識年金資産」として認識し、償却を凍結します。未認識なのでオフバランスです。
償却しない理由は、退職給付会計基準設定に関する意見書四4によれば、「外部に積み立てられている年金資産を企業の資産として認識するのは適当ではなく」また、「一般的に年金資産の払い戻しには制限があることから、企業への当該超過額の払戻しが行われない限り、これを利益として認識することができないこととした」からだそうだ。

では、年金資産が事業主に返還された場合はどうかなるのでしょう?週間経営財務の2693号には、改正実務指針のポイントとして以下の4点が記されています。

①積立超過が解消された場合には「未認識年金資産」を「未認識数理計算上の差異」や「未認識過去勤務差異」に戻し、会社の採用する会計方針に従って費用の減額処理(償却)を行う。

②年金資産の返還により積立超過の解消が生じた場合には、いかなる場合にも利益を認識できず、返還額を
(借方)現預金/(貸方)退職給付引当金(前払年金費用)
として処理する(損益影響なし)。で、凍結していた「未認識年金資産」を①と同様に処理する(段階的に費用の減額償却処理)。
これによって返還額をに一時の利益として計上できなくなるわけです。ちなみに従来の実務指針の設例6では返還額を「退職給付費用」のマイナスとして一時に利益処理していました。

③返還前の年金資産に占める返還額の割合が重要な場合に限り、返還時点における年金資産にかかる「数理計算上の差異(積立超過の解消に伴い数理計算上の差異として認識した金額を含む)」のうち、当該返還額に相当する金額について、当該差異の重要性が欠しい場合を除き、返還時に一時の損益として認識するようです。返還前の年金資産に占める返還額の割合が大きい場合には、当該返還額に対応する数理計算上の差異の金額については一時の費用としない理由は失われていると考えられるからだそうです。しかしながらこの処理が認められるのは制度の終了や従業員の大量退職などごく限られた場合に限定されることになるそうです。

④改正実務指針が適用されるのは、公表日(H16.10.4)以降に年金資産の返還が行われた場合です。ただし、公表日前に行われた返還であっても公表日を含む事業年度に行われた返還について、改正実務指針を適用する事が望ましい。すでに処理済で改正実務指針と異なる会計処理を行っている場合にはその内容を注記せよ、とあります。結局、丸紅や伊藤忠が今期処理した返還額の利益計上は認められないことになりました(認められるとしても注記が必要)。

要するに、年金資産のPBO超過額である「未認識年金資産」が解消された場合、③のように一括処理できるのはレアケースに限られ、①②のように通常の「未認識数理差異」や「未認識数理計算上の差異」に振替えて、平均残存勤務期間内の一定の年数で償却していくことになると言うことでしょうか。

退職給付ってややこしいねん!

igarinの独り言:退職給付水準の引き下げによって年金資産>PBOとなっている場合に、当該超過額を「未認識年金資産」とせずに「未認識過去勤務債務」として償却していくのはやっぱりN.Gでしょうか?