妙な訳語その6 OK牧場 | 心に届け!コミュニケーション こちら五十嵐人材育成ラボ

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研修ファシリテーター・人材育成コンサルタントの五十嵐信博です。
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言葉の選び方が変だと思うこと、その6です。業界の方向けメモです。我ながらしつこく書き続けています。「完全であれ」丸出しですね。

前に述べた人生態度の4つのグリッドを、「OK牧場」と言っています。原語はOK corralです。

 

結論から言うと、英語のままOKコラルと言うべきだと思います。

なぜ牧場なんてついたかというと、「OKコラルのガンファイト」という有名な西部劇の映画があって、この邦題が「OK牧場の決闘」なんです。
しかし、コラルは牧場じゃない。映画を見るとわかりますが、馬や馬車を預けておくところで、「OKコラル」は「ニコニコ駐車場」みたいな固有名詞なのです。日本ではコラルなんてわからないので、映画では「牧場」になった。

 

原著者も映画をふまえて「OKコラル」なんてつけたのでしょう。OKときたらコラルは、アメリカじゃ常識。「高田の」といったら「馬場」と言いたくなるようなものかな。

日本でも、OK牧場が映画の題だと常識だった時代もあった。そのころは問題なく、しゃれた表現で済んだのです。私も嫌いではない。ただ、今は残念ながらわからなくなりました。ふつうの人にとっては、「牧場」と唐突に出てくるだけです。

もっと問題は、「牧場」が独り歩きして「OK牧場には牛や羊がいて、その草原を」などという説明が出てきてしまうこと。OKコラルには馬はいますが、牛も羊もいないし、草原でもないのですね。