深まった母の祈り | 母の立場の医学部受験記(浪人・再受験・現役・反抗期)

母の立場の医学部受験記(浪人・再受験・現役・反抗期)

1番目の子は大手予備校一浪で国公立。2番目の子は現役で国公立。3番目の子は反抗期の末、大手予備校→理系学部入学→休学し私立医学部専門予備校→再受験 で3人とも医学部へ進学しました。
大学入試センター試験と相性が悪いし、反抗期はすさまじいしのトホホな体験談です。

「子供を信じて見守り待つ」ことと

「好き放題にさせること」の違いがわからない。


そんな私の混乱した質問に、カウンセラーはこうおっしゃいました。



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「子供さんの人生に、親が踏み込んでいい部分と

いくら親でも踏み込むわけにはいかない部分があります。


親としたらハラハラしっぱなしでしょうが

彼が成長していくために必要な人生経験です。


彼に直接なんだかんだ言うなら、反発されるだけです。


そして彼のようなタイプは、人から言われたところで行動を変えるのは難しい。


自分が考え、自分で納得して進まないと、本当の歩みができません。

結局同じことの繰り返しになります。


だから彼のようなタイプには

「『彼の心にこういう思いを与えてください』と祈っていくしかないんです。」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


また祈るとかなんとか、そっち系なんですか?

んなことで効果あるんですか?


「親の祈りというのは特別なものです。

拝んでもらったとか、お布施をいくら払ったとか、

そういうものではありません。


子を思う愛を背景にした祈りは効果があります。


そして、直接本人に言えない分、

親はそうして心に平安を持ち続けることができるのです。」





んぎゃ~~~ドクロ


ホントにそんなこと、効果あるんかい。


非科学的じゃないかい。


そんな私に先生はこうおっしゃいました。



「あのね、思春期の、しかも反抗しているCのような子供は

『本音』しか通じません。


しかも、『本音』と『建前』を非常に敏感に感じ取るんです。


お母さんがいくら『大学行かなくてもいいよ』と言っていたとしても、

それが本音でないことは、どんなに演技をしてもバレてしまう。


子供には『また口ばっかり』と伝わるばかり。


結局は親への反感、大人への絶望感だけが育って行くことになってしまうんです。


だから、親がどれだけ本気になれるかが勝負なんです。


子供にはその本気の部分しか伝わらない。


親が本気になるために、本心からそう思うために

親自身も本音が伝えられるよう、

どこから切り込んでこられても本気が伝わるよう

親も心に刷り込んでいかなきゃいけないのです。


それは祈ることであり、念ずることしか方法がないのです。



そして、親自身の本心を「できた」とか「できない」とかではなく、

『子供の存在そのもの』に焦点を当てていくことです。


それが子供の行動の変化に繋がっていくことになるんです。」



こっちはすでに子供を信じて待つことに限界を感じ、

神経磨り減りヘロヘロ。


倒れる寸前のサンドバックとなった私は、

もう藁をもすがる思いになりました。



仕方ない。騙されたと思ってやってやるか。




ここに、1冊のシステム手帳があります。


100円ショップで買った、日付を入れる1週間単位のスケジュール表。





私は「祈りの課題」を書いてきました。


「祈りの課題」なんて言ったら聞こえがいいのですが

「こうなってほしい!」という願いをただただ書いていったものです。



子供に直接言えない分、メモし、

一日中それを唱えるように短くまとめていたのです。


今、見返してみると、この内容にも変化がありました。


●現役の高3の時


Cがセンター高得点を取りますように

〇〇大学▲学部に現役合格しますように

学校で迷惑をかけることなく生活できますように



表面上のことだけを願っていたようです。


結果、状況の改善はありませんでした。



●浪人時


生活リズムを健康的に取り戻すことができますように

怒りではなく、普通の会話ができますように

規則を守った寮生活を送ることができますように


まあ、関係回復というか、

生活をきちんとしてくれるようなことが多かったようです。


~それでも状況は悪化の一途をたどります~



●浪人後半


Cにふさわしい大学を与え、道を開いてください

受験に向けて必死になりますように


変化は見られませんでした。



そして・・・・やがて


Cに最善の道が開きますように

学びたいという思いを与え、道を開いてください

自分を大切ににしたいという思いを与えてください

良き出会いがありますように


自分の人生を大切に生きたいという思いになりますように

Cの持つ素晴らしさを発揮できる人生を送ることができますように

良き道を開いてください。そうでない道ならば閉じてくださ



このように祈りが変化していきました。


カウンセラーの先生からは

「お母さんが口には出さなくても、大学に合格することにとらわれていると

C君は変わらないだろうね。」と言われていたのですが、

当時はどういう意味かがわかりませんでした。


しかし、後半になって

Cが合格しようが合格しまいが

最善の道が開いてほしいという、


「表面的なことからの捉われから解放」

「C自身が自分の人生を大切にしたいと思ってほしい」


そんなCの存在そのものに焦点を合わせて行ったとき、

Cの行動に変化がみられたのです。


その間、私に必要だったのは「忍耐」でした・・・・あせる


反抗期の子供の行動を変えるには・・・。


子供には親自身の本音しか伝わらない。


建前、世間体

そういったものが親の方にある限り、

子供には「どうせ口だけ」とか、大人に対する絶望感しか伝わらないのだと

感じた出来事でした。


「あとは念じたし願ったし祈ったから

子供に振り回されたり、子供にとらわれていることから開放されて

お母さんはお母さんの人生をしっかり歩みなさい。」


Cがどういう人生を歩もうとも、

親が思い描いた人生と真逆であろうとも

Cを受け入れていこうと決心した瞬間でした。