今年もさんまの季節になりましたが、特売でも3尾500円と、生の秋鯖と変わらない値段になりました。
そうなると鯖のほうが好きな自分としては、さんまを食べようとならなくなってしまいます。
そもそも値上がりはやむを得ないですが、スーパーで見かけるさんまのレベルが下がっている気がします。
ハリがなかったり、目の色が悪かったり、身がぷっくり太っていなかったりが多いです。
そこで調べてみると、やはり昔と比べると色々変わっているようです。
まず、単純に漁獲量が減っています。
だから値上がりしているのですが、全体が減ると、高品質なさんまも減ることになります。
だから、昔よりは細いさんまが目立つようになるわけです。
また、漁獲量が減った結果、漁場も遠くなりました。
昔ならば一泊2日で帰ってこれる漁場で獲っていたのが、今や3泊4泊しています。
ということは生さんまの鮮度はそれだけ下がります。
獲ってからの絶食期間も長いです。
元々さんまは胃を持たない魚なので、絶食期間が長いと他よりも品質は下がりやすいわけです。
さんまの漁獲量は10年で9割以上減少しており、この減少からしたら、店頭価格は健闘していると言えるでしょう。
しかしながら、他の魚より値上がり率が高いことから、食べる需要も魚の中では減っています。
そして今後、漁獲量が増えることや、漁場が近くになるのは日本が2つになるくらいの地殻変動が起きるような環境の変化がないと難しいです。
では養殖技術世界一の日本なら養殖してはどうか?
実を言うと、水族館で養殖の成功例があり、技術的にも可能です。
しかしながら、コスト的に難しく、さんまの養殖販売をすればさんまの需要が上がる、と断定できるようでなければ、水産会社は手を出しにくいです。
日本は人口減少と魚の摂取量低下が止まらない為、そんな中、今と同じかそれ以上の価格になる養殖さんまを買ってくれるとは思えない為、養殖は採算的に不可能と言えます。
もちろん研究目的ではされるかもしれませんが、研究目的から商業化は少なく、愛媛のみかんブリは地元の漁業関係者の努力の結晶ですし、近大マグロはマグロという需要の高い魚と年間を通して消費できることから、天然よりはマシくらいの高価格でも売れています。
このような成功例は少なくて、商業目的で始めた養殖でも商業的失敗はいくつもあり、ブランド化して高くても売れるじゃないと難しいことになります。
スーパーとしては仕入れやすく、価格も比較的安定している秋が旬の他の魚を目玉にしたいかもしれません。
しかしながら、まだまだ多くの大人は秋の魚と言えばさんまであり、更にいうと真鯛は高い、アジやサバは年中買えているから、季節感を感じにくいです。
秋鯖美味しいのに。
しかしながらこれはチャンスでもあります。
もし、さんまに変わる秋の魚の顔を生み出すことができれば、月見バーガーのコンセプトをパクり、定着させたマクドナルドのような存在感あるスーパーになれるでしょう。