北米はヴィーガンが多くて、代替肉市場としてはかなり大きいです。

 

 

 

しかしながら、そんな北米で展開している大手代替肉メーカーですら巨大の赤字に陥って、資金調達しだいでは破綻しかねる段階です。

 

なぜ代替肉が稼げないのでしょうか。

 

 

 

一つ目はメーカーが消費者ニーズにまだマッチしきれていないことです。

 

というのもしっかり味付けしないと美味しくなく、肉らしさがないんだそうです。

 

ヴィーガンや菜食主義者、環境意識高い系の人たちはこの肉らしさをかなり重要視しています。

 

じゃあ肉食えばいいじゃんと思ってしまうのですが、彼らとしては頑張って頑張って歯を食いしばって我慢してでも肉を食べずに、肉を食べた感が欲しいようです。

 

特に代替肉はミンチが多いので、ハンバーグではなくステーキがいい、というニーズでもご立腹みたいです。

 

 

 

二つ目は価格です。

 

ただ単にミンチ肉みたいに売られているパッサパサの代替肉は安価だそうですが、しっかり加工された高品質代替肉は高くて、下手すると、牛肉より高いそうです。

 

まぁアメリカは日本より牛肉価格は安いので、日本人とは価格意識が違うかもしれませんが、それは高いですね。

 

その為、これらの代替肉を日常的に利用するには高い食費を許容できる世帯となります。

 

 

そもそも何でこんなに高いのでしょうか。

 

大豆は牛肉や豚肉よりも安いです。

 

加工費がかかるとはいえ、それで牛肉を上回るほどの金額になるのかな?

 

アメリカには上場している代替肉メーカーがあるので、その一社を見てみると、高いといわれているのに、仕入れ原価+加工費=卸値になっています。

 

つまり他の販管費や輸送費分は赤字。

 

高いといわれているのに、原価割れだと…

 

 

 

三つ目は環境効果の低さです。

 

家畜の飼育はCO2排出量が高く、代替肉は植物由来なことから、植物はCO2を吸収するので、植物だけの食事にすると生産過程からのCO2排出量が減るよね、という理論です。

 

確かに家畜はCO2を大量に排出しますが、それを言うなら人口増加のほうがよほどCO2排出の悪影響あるのでは?

 

 

とはいえ、この理論を満たすには超大規模な転換が必要で、ざっくりいうと、北米の肉需要の3割くらいが代替肉に置き換わらないと、実証できないんだとか。

 

もう国策じゃないと無理じゃない?

 

更に言うと、肉はカットしてそのままスーパーや飲食店へと運ばれたりしますが、代替肉は全て工場で加工されます。

 

その為、この加工におけるCO2排出量は家畜肉加工品と変わらないか、メーカーによっては高いそうなので、メーカーは工場で使用する電力をクリーンエネルギーに限定する等しないといけなかったりします。

 

 

 

では今後、代替肉業界に未来はあるかというと、代替肉原料が激安になり、代替肉需要が代替肉なら何でもいいなって、更には急増すればいけるでしょう。

 

北米ですた成功していない以上はアジア等他の地域で成功するとは思えません。

 

特にアジアの菜食主義者は貧困層と超富裕層に別れます。

 

超富裕層は自分のシェフが代替肉を作るので、市場はないです。

 

そして貧困層はそもそも肉食べたいとはならないですし、高価格な代替肉を買うはずがありません。

 

 

 

日本でも代替肉が流通していますが、殆どは食肉や食品加工メーカーが片手間にやるレベルです。

 

店頭でも精肉コーナーで見かけられており、肉の一部であり、それを超える存在にはなれていません。

 

ニーズが我慢の上に成り立っている以上は限界がありますよね。

 

肉汁たっぷりジューシーなから揚げでも再現できたら、食べてみてもいいかな。