ネットスーパーは色んな大手スーパーで手がけていますが、かなり難しい業態です。




確かにネットで注文して自宅に届くというのは、ニーズとしては大きいです。


配送料払ってでも使いたい人というのは凄くたくさんいます。




で、このネットスーパーですが、世界で100社以上が行っているのに、成功しているのは片手で数えられる数しかありません。


しかもこの成功というのは毎年黒字になっているというレベルで、大儲けとは言えないのも含まれます。


むしろリスクを考えるならばやらなかったほうが良かったという意見もあるかもしれません。




そもそもネットスーパーのネック、最大の重要が食品ということです。


食品は期限が短いです。


そして、単価が安いです。


更には温度管理が必要です。


例えばトイレットペーパーならかさばるけど、このような消耗品日用品のオンライン販売のほうが企業としては稼ぎやすいんですね。


在庫リスクがあるといっても、過剰在庫になっても半年待てばはけることができます。


しかし、野菜は半年も保ちませんから、かなりシビアな在庫管理になるわけです。



だから日本では各店舗の在庫をピックアップして配送するのが当たり前です。


でもこれだと人が注文票を見て、店内を歩いてピックアップするのでコストがかかります。


専用倉庫ならばロボットが勝手にやってくれるので、スピードもあるし、コストが安いです。



更には店舗調達だと品切れリスクもあります。


オンライン上では在庫ありでも、注文してからピックアップするまでに店頭で売り切れてしまう可能性があります。


さらに言えば午前中に欲しいものを買えなかったりします。


時間指定出来るのが殆どのはずですが、それでもスーパーの営業時間内にピックアップする為、12時以降配達とかになります。




これらのことから、ネットスーパーは儲かりにくく、しかも人手がかかるとして、むしろ人手不足のスーパーでは止めようかなという話も出るくらいです。


地域によってはネットスーパーやるよりもとくし丸のような移動スーパーと提携してやったほうが、利益が出て、店舗に来れない需要を拾えたりするわけです。




アメリカではネットスーパーシェア国内3位が赤字になっていたりするので、日本はコンビニも多いし、近所の大手スーパーがネットスーパーを止めたとしても仕方がないというしかない状況です。



ですが、そんな中、イオンはグリーンビーンズというネットスーパーを立ち上げています。


これまでのイオンネットスーパーを潰す気満々です。



何が違うかというと、ターゲットは首都圏です。


人口も多いし、所得がある程度ある人達なので、配送料払ってでもネットスーパー使いたい需要が多いです。


これが関西や東海になると、一気に配送料払うなら自分で買いに行くわーが増えるので、同じ所得でもお金の使い方が変わってきます。


このグリーンビーンズの特徴は工場で商品管理、品質管理していて、機械的にピックアップします。


その為、24時間受け付けして、24時間ピックアップして、朝から配達してくれます。


これだと午後から仕事する人も使えるようになり、帰りの時間がスーパーが閉店していたり、ネットスーパーの配達時間外の人も利用できます。


また工場なので、在庫管理しやすく品質管理もしやすいので、品切れしにくく、どれも高い品質をキープ出来ます。


例えば野菜は店頭に並ぶとどうしても多くの客や店員が振れますし、配送トラック、野菜室、店頭と温度変化があります。


なので、スーパーによっては陳列した翌日にはしなしなの葉物野菜があったりしてしまいます。


倉庫では検品はするのでしょうが、人が手を介さないことで、傷みにくく、温度変化も受けない高品質を維持できるわけです。


また、先入れ先出しも徹底出来るので、店頭で手前取りしてくれないよピエーンという、小売の嘆きも心配無用となります。




まだまだ配達エリアは狭くて、工場からの距離の問題なのか、神奈川県は川崎市だけですし、千葉県では千葉市があるのに柏市がなかったりと、需要の高いエリアをカバー出来ていません。


まずは東京23区をエリアに収めて、それから横浜市や柏市等もエリア入れば、安定した黒字が見込めるのではないでしょうか。


そして、このエリアに入ることで、イオンの各店舗はネットスーパーを止めることが出来ます。


すると、店舗スタッフを人の足りない他の仕事に回せますから、各店舗としても早くエリアが広がってほしいと思うかもしれませんね。