昨日はコンテナ船の話を書きましたが、海運同様にムラっ気があるのは、造船会社です。
しかも悲しいことに、造船会社は下振れしやすいムラっ気です。
国内最大手は今治造船で、名前の通り愛媛県の会社です。
隣の香川県や広島県にも工場や営業本部があったりする大企業なのですが、ここは業績がいいのですが、それ以外は苦しいです。
国内二位のJMUや川崎重工、常石造船、三菱重工とありますが、大型船を作れるこれらの企業の再合併が必要な状況だったりします。
というのも自衛隊向けという特殊な船舶を除くと、国内造船会社は物凄く業界が縮小しており、10年前の今治造船とJMUを足した規模と、今の日本中の造船会社の製造量が同じくらいです。
ようやくコロナ禍の商船不足と大儲けによって、世界中の海運会社が船を買いだしたので、後5年くらいは今の受注残があるのでは?というくらい活況です。
JMUもこれまではギリ黒字が精一杯くらいでしたが、今治造船同様に受注残抱えまくりの状態なので、数年は黒字安泰でしょう。
とはいえ、この造船ブームが一段落すると、コンテナ船価格は下落し、そうなると海運会社が造船渋りますので、造船会社はまた苦しくなります。
そのときに強いのは今治造船と自衛隊が相手の三菱重工だけかもれましせん。
小型船舶は国内需要を国内メーカーが独占出来ますが、大型船舶はグローバルで活躍しますから、日本が有利とはならないんですね。
例えば大型船舶なら中国で作れば中国の港で受け取り、そのまま中国からアメリカへと輸送出来ます。
日本で作るとなると、日本発着航路に不釣り合いな船舶だと、無駄な移動があるので、そのコストも加味するなら、海外のメーカーで作ろうかなってなったりもしちゃうわけです。
特殊な船舶や燃費性能めちゃくちゃいい船となると中国では無理とかありますが、でかい、たくさん乗せれる、今くらいの燃費、とかならば十分作れますからね。
特に世界の主要航路となる中国やアメリカに巨大造船会社がおり、アメリカなんて世界レベルの海運会社がないけど、海運需要世界一なので、造船は世界トップクラスです。
アメリカで作れば、アメリカにある空のコンテナ回収も出来たりするからやっぱり海運会社はアメリカで作りたかったりしますよね。
そんなわけで、今の活況なうちに再合併の話があっても良さそうです。
というか、自衛隊向けの三菱重工はともかく、それ以外は今治造船を中心にONEのように一社になってもいいのでは?
国内造船メーカー同士で受注争いしていたら、国際社会で勝てないどころか負けちゃうし、海運会社もメーカーというより国レベルでどこから買おうかを調べるみたいなので、そうなるとバラバラになっていてもメリットあるのは、日本の海運会社から合い見積もりされたときに勝てるくらいなので、それならば一社で合い見積もりさせないという気構えでもいいかなと。
造船は特別な技術が必要で、日本にはなくてはならない産業の一つです。
だからこそ生き延びる為には一社になってでも残ってほしいですし、ギリ黒字とか、他の事業で赤字相殺しているような状態ではいたくありません。