飛行機の定時運行率は不思議なものです。




これは世界共通で、出発予定時刻の15分以内に出発すれば定時となります。


決して日本の鉄道と同じ間隔では行けません。


そして到着時刻は加味されません。



そして出発時刻というのは、飛行機が出発準備完了して、管制官から出発していいよと許可を貰い、パーキングブレーキを解除した時間です。


ここから離陸までに30分かかろうが、離陸時のトラブル等で急停車すると、エンジン逆噴射するので、その点検等で1時間遅れたりしますが、それでも定時運行になります。


何ならら代替空港についても定時運行です。


ボーディングブリッジを離れたりした時間が出発時刻と言いつつも、飛ばなかったらそれは欠航になり、定時にはなりません。


不思議なのは成田を離陸して機体トラブルで羽田に着陸したとしましょう。


これが羽田を代替空港とするならば、定時運行になってしまうということです。


もし、福岡便だったとしたら、ぼったくりもいいところですし、流石に代替空港としてあつかう航空会社はないと思いますが、代替空港が離れていてもいいので、ルール的には問題ないと思われます。


実際、国際線ならば羽田や成田着が、新千歳や関空を代替空港にしたケースはあります。




このように定時運行の条件は、一般客の想像とはかけ離れているので、航空会社が熱を入れているほど客からしたら定時運行率が高いことはプラスにはならないということがわかります。


ちなみに国際線では30分遅れて出発しても、航路の風向きや強さ次第では、予定より早く着くことがあります。


客として見れば、遅れて出発しても予定時刻までに着くならばいいわけで、定時運行率よりも予定時刻に着くかどうかが大事ですよね。




この定時運行率を高める為に、航空会社の地上スタッフの人達が、保安検査上通過したのに乗っていない客を探し回ったりするわけです。


日本の大手航空会社は地上スタッフも女性が多いので、その客が男子トイレで個室に篭っていたら見つけられません。


この場合は日本の空港でJALやANAならばちょびっと遅延しても探すようですが、海外の空港や海外の航空会社、もしかしたら日本のLCCも定時出発に合わせてゲートを閉鎖するので、出発予定時刻ギリギリに行くと、もう乗せませんとなったりします。


あ、この場合は客都合のキャンセルになりますので、ご注意を。

(チケットによっては後続便に振替可)


もし搭乗前にお腹が痛くてトイレに篭りたいときは入り口にいるスタッフに声かけしておきましょう。


搭乗後も様子を見てくれたりしますし、遅れそうなときもトイレの中まで来て声かけしてくれます。



こういった努力によって高められているのですが、どんだけ頑張っても最後は管制官次第です。


定時出発出来るようになっていても、前に出発する便が遅れていると、基本は順番を待ちます。


例えばANAが出発したいけど、隣のピーチが遅れていて、15分ギリギリ定時出発した。


そのピーチがバックしてから動き出すのが遅かったから、ANAが20分遅れになったということもあります。



他にも管制官によって大きく遅延している航空会社を割り込ませたりもするので、それらが地上を行き来するのを待っている間に遅延なんてこともあります。


なので、羽田や成田は誘導路が非常に豊富で迷うそうなほどで、準備出来たら近くを走行している航空機がないならさっさと出させます。


そして滑走路手前でズラーと列を作らせます。


なので、同じ時刻に出発する航空機がたくさんいたりします。


同じ時刻なのにみんな同じ滑走路から離陸だったりして、じゃあその順番はというと、管制官によって決められます。


航空会社は定時出発さえ出来れば、離陸順番後回しになっても仕方ないと諦めてくれるからです。


もしかしたら管制官がJALよりANAが好きとかで、ANAを先にしたりするかもしれませんね。