東証はプライム、スタンダード、グロースと市場を三つに分けました。
これはそれまで一部、二部、マザーズ等でしたが、海外投資家からの投資を呼び込む為に、プライム市場の条件を厳しくしてプライム市場に特別感をもたせる為でした。
それまでの一部上場も厳しいと言っていましたが、中小企業でも簡単になれたわけですね。
アメリカで言えばNYダウに入れないようなレベルでも、上場時にさえちょっと書類上頑張れば一部になれていました。
それでプライム市場にしたのに、移行期間が2026年3月と長ーく続く為、すでに海外投資家からは東証には失望されています。
将来的には厳格化するとしていますが、それはプライム市場に入る為の厳格化であり、プライム市場にい続ける条件は緩いです。
例えば東芝は粉飾決算をしたことがありますが、新しい基準で東芝が粉飾決算をしても、プライム市場から落ちることも上場廃止になることもありません。
日本を代表する企業は何をやらかそうとも、経営破たんじゃない限りはプライム市場にい続けられるのです。
逆に中小企業にはとても厳しいです。
スタンダード市場でも粉飾決算をして一発で上場廃止にされた企業もあります。
粉飾決算による負の影響は東芝のほうがでかいけど、上場廃止影響が小さいからということで、中小企業はスパッと切られます。
ちなみに反社との取引も東芝のような大企業の場合はしていたとしても、謝罪と取引を中止さえすれば、今後やっちゃだめだよと言われて終わりです。
これが中小企業だと再発防止策が提出しないと許されません。
しかもこの反社との取引ルールは、相手が反社として知りながら取引したらダメというものなのに、再発防止策には相手が反社というのを隠している場合の対処も求められます。
個人的には企業規模問わず、粉飾決算したら一発上場廃止にするべきです。
更にはその後、最低でも5年は日本での上場を禁止にしたりと重い処置が必要だと思います。
そんなことしたら既存株主の被害が甚大になると言いますが、株主達が集団訴訟するべきでしょう。
日本ではほんと裁判が少なさ過ぎるので、粉飾決算やらかしたときの企業側の罰が緩いんですよね。
ちなみにアメリカでは粉飾決算した企業が、上場廃止で資金的にも苦しいのに、株主集団訴訟で経営破たんに持ち込まれています。
本当ならば会社の資産は債権引受人へ分配し、借金なくなってから残った資産を株主へ分配されるのですが、裁判によって株主の粉飾決算による被害弁済をして金が尽きたということになります。
上場廃止だと影響がありすぎると言うならば、せめてプライム市場からスタンダードへ降格させるべきでしょう。
スルガ銀行のようなガバナンス問題による不祥事をやらかした企業も同様にし、ただでかいだけでなく、ガバナンスもしっかりした企業だけがプライム市場に残るようにしないとだめでしょう。
日経平均株価と異なり、登録社数に制限がないのだからこそ厳しくするべきです。
ではなぜ、こうもガバナンス欠如による企業への制裁や大企業忖度がでかいのか。
東証が未だに一部二部時代の慣習に染まっているというのもありますが、政治的な都合が大きいからです。
やらかした企業は謝罪会見をし、再発防止策を掲示しますが、株価は大幅に下落します。
それにも関わらず、更に降格となると、更に投げ売りされるので、大企業は政治家にお願いして東証にお願いします。
全てがそうとは限りませんが、そういうことはあります。
表沙汰にはなりませんし、物的証拠がなくてもネットで噂話なったりして聞いたことある人はいるでしょう。
表向きには経団連とかを介してだったり、記者会見やらプレスリリースを出して要請したりもします。
昨今の急激な円安に輸出企業や、海外売上比率の高い企業ですら政府に要請していたり、苦言を述べているのがこちらになります。
また、日本には懲罰的措置というのが馴染んでいません。
従業員に対しては一発懲戒解雇にするのに、企業には降格も制裁金すらなかったりします。
会社の金を横領した人が減給も停職にもならず、反省書一枚でおしまいとなっていたらどうでしょう。
同じ人がまたやることはなくても、それくらいならばと別の人が横領したりするでしょう。
だから日本はガバナンス意識が低いですし、商慣習と言ってグレーゾーン営業しかしなかったりします。
まぁそうやって行くと、やりだすのが持ち株会社化でしょうか。
不祥事をやる会社を完全子会社に投げることで、上場会社としては、管理不足でした、というものにします。
実際、海外ではこの手法で、2、3年毎に子会社が不祥事をやらかして倒産して、また別会社を作ってということをやっている企業があるそうです。
まぁ国によって法律が違うから、何度もやっていても何ら処置されないなんてことは日本では起きないと思うけど。
日本でやるとしたら、完全子会社に関しては、親会社にも同等の執行責任を持たせるとかですかね。
まぁ子会社社長が持ち株会社の取締役にいればいいですが、いない場合もあります。
例えば最近ならばダイハツ。
あそこはトヨタの完全子会社で、ダイハツの社長はずーっとトヨタから派遣された人がやっています。
これでダイハツの不正を気づけなかったのですから、トヨタの管理能力にも問題があるわけで、今の会長が完全にトヨタを去ってから膿が出てきそうな気もします。
ダイハツのことに関してはトヨタにも責任がある、とトヨタは認めていますが、株価は下がっていないし、何なら業績としてはトヨタ自動車は過去最高益です。
ダイハツ操業停止した費用は今期に計上されるにしても、1兆円くらい制裁金があってもトヨタはビクともしません。
こういう会社に巨額の制裁金かけて、ガバナンス問題をもっとやばいと認識させていかないと、プライム市場の企業は、ガバナンスよりも業績重視が減らないんじゃないかな。