空港は海上に作られることが多いです。
羽田やセントレア、関空といった大規模空港だけでなく、長崎や北九州空港も海上空港です。
長崎空港にいたっては世界初の海上空港です。
海上に作るメリットは地権問題が起きにくいので建設への反対意見を減らせて、騒音問題も起きにくいので、24時間運用等経営の自由度が高くなります。
デメリットとしては、中心市街地から遠くなり、橋やトンネルでアクセスするので、空港アクセスに加算料金がかかること、悪天候はより影響を受ける、潮風のダメージがある等です。
但し、アクセスに関しては陸上空港でも同様になり、成田のようにアクセスに時間がかかふのもあります。
しかし、福岡空港や仙台空港のように都市部から近いところに作れます。
羽田も都内と近いほうですが、あれは当時の漁業関係者を追い出したという経緯があります。
空港側からしたら追い出したは人聞き悪いかもしれませんが、やり方は陸上空港ならば成田空港と同様の惨劇が起きていたかもしれないほど、強引でした。
今でこそ新滑走路建設では環境や漁業に配慮していますが。
地方空港は地元の利用しやすさを意識しますが、その結果、広島のように福山と広島双方の中間にした結果、広島、呉という国内有数の観光地へのアクセスに難ありとなりました。
まぁ広島県に空港作れる土地がそこしかなかったともいえるので仕方ありませんが、県内に主要都市が二つあると両者の中間に設置して、どちらからも使いづらいというのは長崎空港のようにあるあるです。
北九州空港も小倉よりだったならアクセス性良かったと思います。
海上空港の最大のデメリットはコストです。
建設費は莫大になり、1兆円前後になります。
陸上空港だと、用地買収がスムーズに行けば2、3割は安くなるそうなので、税金ぶち込むのにコスト意識が低くなりがちです。
開業後の維持費も関空は地盤沈下対策で毎年莫大な金がかかっていますし、海水漬けなので、どの空港も腐食対策で金がかかります。
しかも飛行機は重くて早いので、離発着で地面にかなりの負荷がかかります。
着陸速度でも新幹線の全速力並ですからね。
それがズドンズドンやってきたら、どんなにしっかりしていても少しずつ沈んだりします。
陸上空港ならば住宅街が近いと騒音コストがかなりかかります。
福岡空港は地代と騒音コストで、利用者数、発着回数の割には儲かっていません。
空港建設後に引っ越してきた人も騒音手当が貰えるのは納得行かないのですが、多くの陸上空港は騒音コストはそれほど大きくありません。
また、地上空港は自衛隊へと共用しているというのもあります。
那覇空港、小松空港、茨城空港、名古屋空港等あります。
自衛隊と共用していると建設コストがぐっと下がります。
というか、殆どが自衛隊の滑走路を払い下げられて使っている感じなので、元々あり、地元も元から空港あるから反対が少ないというのもあります。
また、自衛隊が航空祭をやると空港へ遊びに来る客が増えるので、空港運営会社的にはプラスであり、地方空港は自衛隊と共用のほうがいいこと尽くしな気がします。
むしろ那覇や新千歳は民間機が多すぎて、スクランブル以外では自衛隊の離発着も大変みたいです。
海上空港は羽田や関空のように利用者がかなり見込めるならば価値がありますが、経営的にはなかなか難しいです。
多くの空港が遠方にあるから、地元の人が遊びに行くともならず、飛行機利用者がいないと苦しいのが現状。
個人的には空港は自衛隊と共用以外は民営化していいと思っています。
その上で国や自治体は株主として参画、管理する。
第三セクターと同じではありますが、経営主体は民間で、あくまで国や自治体は出資者。
だから一番の大株主が地方自治体とはならない。
これはなぜかというと、第三セクターの経営はどこも適当です。
酷い言い方をするならば、いざとなったら自治体の税金ぶち込めばいいやです。
それは自治体のトップと第三セクターのトップが同じだからです。
空港関連でいえば、セントレアの株は殆どが国と自治体ですが、経営者はトヨタ自動車出身です。
仙台空港にいたっては、株の過半数を東急グループで保有しています。
これらは民間経営が存分に活かされている為、自動車会社や鉄道会社出身の社長でも、経営が良くなっています。
(コロナ禍以外)
畑違いでもこのように経営が良好になるのですから、企業経営未経験の地元自治体トップが兼任するよりかは、民営化して民間経営をどんどん取り込み、空港面白いよ、飛行機乗らなくても来る価値あるよ、とすることも重要なんじゃないかなと思います。
株主として残っていれば自治体や国が管理することは出来ますからね。