千葉県の鉄道は東京を意識していますが、それはやはり千葉県民の需要が東京へ向けられているからです。




総武線は県都千葉市と、2番目に人口が多い船橋市、3番目の市川市を貫くだけあって、混雑が激しいです。


総武線が千葉駅まで複々線なのに、バイパスとして東京メトロ東西線、都営地下鉄新宿線、京葉線、京成線があります。


これだけたくさんのバイパス線がありながら、バイパス線も含めて総武線は混雑路線として上位に位置しています。




そんな総武線の凄さの影にかくれがちなのが、もう一つの主要路線の常磐線です。


茨城県と東京を結ぶ路線ですが、バイパス線がつくばエクスプレスの開業までなかったこともあり、開業前から混雑対策は日本でも独自のものとなりました。



複々線なのは他と同じなのですが、各駅停車は東京メトロ直通にすることで、途中駅で東京メトロに乗り換えようとする動線を減らすことをしています。


快速電車はほぼ千葉県民用のと、茨城県民用の二種類があります。


千葉県民用は近距離なのでグリーン車が連結していない為、現在では日本で唯一の全車一般車、日本一の乗車定員の15両編成がバンバン走っています。


コロナ禍で減便したとはいえ、朝ラッシュの6割はこの15両編成が走っています。



残り4割は茨城県からやってくる快速電車で、こちらはグリーン車を連結しています。


15両で走るのは土浦からですが、10両編成なら水戸駅を越えて高萩駅まで運行されていたりして、結構な長距離通勤路線です。


高萩の距離となると、特急利用じゃないと通勤には厳しい気もしますが。




以前の常磐線はそれだけでは輸送力不足の為、茨城県民の為に、通勤特急が運行されていました。


グリーン車なしの14両編成の特急です。


14両を超える特急は繁忙期を含めて、他路線にもあったりしますが、グリーン車がない特急はここだけになっています。


まぁ高崎線や宇都宮線は新幹線が通勤特急を担っているという側面もありますが。


しかも常磐線は夕方ラッシュ時には特急が毎時3本走っていましたので、11両、11両、14両という輸送力で、しかもこれで着席定員はほぼ満員だったりしました。


この特急は茨城県内で遠近分離されており、上野を出ると水戸駅までノンストップと、茨城県内ほぼ各駅停車となっていました。


後者は水戸駅くらいまでしか運行されないのですが、普通電車より運行距離短い特急に14両編成が必要だったというところから、いかに茨城県からの通勤需要が旺盛だったということがわかるかと思います。




つくばエクスプレスの路線をJRが蹴って、第三セクターに任せたのはJRの失策と言われていたりしますが、JRのときには沿線には何もなく、再開発計画も駅前はやるわ、というだけのざっくりとした大枠しかありませんでした。


JRが蹴ったからというわけではありませんが、その後に再開発に関する土地収用の法律が変わったり、自治体や民間の駅周辺開発に関して色々決まったりしたので、JRのときには沿線にこれだけ企業が出来るとか、住宅地が造成されるとはわかっていませんでした。


実際、つくばエクスプレスもここまで需要が出来るとは想定されていなかったので、8両編成を出来るような構造にしていたにも関わらず、8両編成で運行するには10年以上の工事期間が必要だったりして、今や限界ギリギリまで増便しています。




千葉県の路線はこのように、東京へ向かう路線はどこも大混雑です。


しかし、千葉県内を移動するような東武野田線は6両から5両立にするみたいですし、新京成線も移動距離は都心への乗り換え駅までと短め。


千葉県内の鉄道移動需要は少ないようです。