日本式経営が賞賛されますが、日本式経営ってやる気を絞り出すイメージがあります。
それは世界でも例が少ないレベルでの長いデフレが続いたからというのもあります。
大企業でもこれまでは毎年昇給さえしていればOKみたいなレベルでした。
だからコストコの時給1500 円で大ニュースになるし、平均年収1000 万円超え企業に入社しただけで勝ち組扱いになります。
ちなみに日本に展開している欧米の外資系企業の多くは日本の平均年収超えです。
人件費かかっても優秀な人材を取り込めというのが欧米スタイルですので、中国だとアニメーターの年収が日本の倍というのは特殊でも何でもなく、日本が低すぎるだけ、異常なだけだったりします。
昔、サンヨーという企業が破綻して、パナソニックに吸収されました。
当時のサンヨーには業界では世界でも知られている技術者がいました。
しかし、この技術者はパナソニックへ行くことなく、韓国の大企業にヘッドハンティングされました。
当時のパナソニックはサンヨーを吸収する立場だったから、かなりの上からだったのかもしれません。
その技術者に対して、これまで通りの待遇を保証するだけでした。
しかし、韓国企業はタワマンのワンフロア借り上げて無償社宅として提供。
会社への送迎ハイヤー無償提供。
韓国への引っ越し費用全額負担。
給料はサンヨー時代の3倍。
それでいて研究所での待遇も保証されており、企業の本気が違います。
韓国側が金にあかせただけと思われるかもしれませんが、CTOを中心に経営陣が直接話し合ったりして、技術と普及、優位性と利益という現実的な話し合いをしたりして、その技術者の技術を存分に活かして世界シェアではパナソニックを超えました。
ヘッドハンティング業界だと、外資系がある業界とない業界だと、ヘッドハンティングにかかるコストが全然違うそうです。
外資系の多い保険や金融、ITでは今の倍になる報酬を掲示したりしますが、ない業界だと2割増とかなんだそうです。
昔GAFAが日本でヘッドハンティングしまくっているから、NTTデータ等の国内IT企業が優秀な人材を確保できないと嘆いていました。
何せgoogleは10年くらい前でも最低でも1000万円スタートです。
平均はいくらなんでしょうね?
それでいて有給消化率は100%、産休育休は男女問わずフルに使うのが基本です。
この人がいないと仕事が回らない!なんてことはありません。
あの人手こずっているから手伝うわ、と手の空いた人や余裕のある人が勝手に仕事を手伝っていきます。
一人で完結する仕事はなく、一人にしか完結できない仕事もありません。
優秀な人達ばかりで、誰もが誰かを自主的にフォローしあいます。
だから無駄がなく、自然とコミュニケーションが増え、新しいことにも挑戦します。
一人でこそこそ新しいことをしていても、それ面白そうだねと誰かが気付くと、社内イントラでシェアし、じゃあこうしたらどう?ああしよう?俺手伝いたい!と、知らない部署からも声がかかります。
産休や育休から帰ってきたら、前のプロジェクトからは外されています。
日本式だとこれで居場所がなくなってしまうからと、産休育休ではなく寿退社や出産を機に退社なんてのが多いです。
googleだと、よー久しぶり。
今度はこれとこれとこれやって、と常に新しいプロジェクトがあるので、前のプロジェクトから外されても仕事があります。
そして仕事に溢れているというのに、みんな気持ちに余裕があるそうです。
PCに向かい過ぎて疲れたー、と言って、同僚を誘って卓球を始めます。
あの渋谷の一等地にある高層ビルの中に卓球台あるんかい、という福利厚生の使い方です。
仕事中に昼寝してもOK。
ミーティング中じゃなければ怒られません。
そして社食は必ず太ると言われるビュッフェです。
ネットにも社食へ行った人の記事がありますが、5000円のランチビュッフェかな?というレベルです。
それが無料で食べ放題。
アメリカ本社だとファミリーも誘えていたようです。
これほどの莫大な福利厚生、自由な仕事場、そして高給です。
しかもローンとかの審査では国家公務員よりも上なので、庶民よりは同じ担保でも借りれる額とかが異なります。
信賞必罰が厳しく、日本だと降格や減給処分の不祥事が一発解雇です。
プロジェクトごとにリーダーが変わるから降格というのはあまり処分にはならないのかも。
googleは常に働いて良かった企業で上位ランカーです。
また働きたい企業でも上位ランカーと、あまりの職場環境、働き方の違いに転職に弊害が出ているような気もします。
googleで働いて見たいと憧れる人は多いかもしれませんが、価値観とか生活スタイルが一気に変わりそうですね。