アパレル業界最大手と言えば、ファーストリテイリングです。
社名だけだとわからないかもしれませんが、ユニクロやGUと言えば、誰もが知っているお店です。
その規模は圧倒的で、売上高でみれば2位のしまむらの4倍にもなります。
しまむらも有名ですが、それ以外のアパレル大手と言われて思いつきますか?
実はこれ以下はアダストリアやワコール、良品計画や西松屋と聞いたことあるという会社がおりますが、上位2社と比べると、どんぐりの背くらべという状況です。
アパレル専門店はどこも店舗が小さく、季節切り替わり大幅な値引きセールをやるイメージではないでしょうか。
実際、店舗が小さいので売上高は限定され、在庫リスクによって利益が押し下げられているので、大きな企業となりにくいのです。
利益率も非常に低く、衣料品の良し悪しよりも店員の接客で黒字赤字が変わるお店もあるくらいです。
2位のしまむらは歴史ある企業ですが、それでもユニクロが全国的に有名になるまでは、埼玉県やその近隣県以外ではマイナーな地場企業でした。
今では全国に店舗を持つ有名ブランドとなりました。
ファーストリテイリングは山口県にある商店街とかによくある衣料品店でした。
それを今の社長がたった一代業界最大手にしました。
その手法はあまり表沙汰になっていないのですが、品質の割には安価というのが有名ですね。
最近だと安くなくなったという意見をネットで見かけますが、品質を知らずにいるとただ値上げしているとしか見えません。
ユニクロに関しては、今もその価格に対する品質の高さはライバル企業としては頭を抱えるほど高いと言われており、その規模の経済が活かされているので、規模の差からして、他社が追いつくのは他業界よりも難しいでしょう。
規模でらファーストリテイリングやしまむらには勝てませんが、彼らの弱みである専門衣料品店は規模の拡大はなくても生き残りはできそうですね。
西松屋やワコール等は専門店としての強みがあります。
ただそういった個性と強みがない個店は苦しい業界な気がします。
渋谷や池袋とか立地が好立地じゃないといけないから、なおさら苦しいでしょうね。
ファーストリテイリングも駅前やショッピングモールを中心として出店していて、立地コストがかかっていますが、それを相殺できるほどの規模の経済力があります。
それは郊外を中心に出店しているしまむらよりも利益率ぎ高いところからも、アパレル業界ではファーストリテイリング、しまむら以外には規模の経済が生きていないというのがわかります。
実際、アパレル業界で利益率5%超えですら殆どないです。
高級ブランドを展開しながらも利益率2%とかもあり、高級系とは思えない利益率だったりします。
ちなみにこの低利益率業界の中でも特殊な企業がいます。
ワークマンです。
売上はここ数年ずっと右肩上がり、コロナ禍でも強いです。
利益率は業界トップです。
その強みは流行り廃りに左右されない作業着専門店から発展したので、一般向け、日常向けの衣料品も流行り廃りガン無視です。
流行り廃りに左右されない分、在庫リスクは低いです。
まぁワークマンで売っている物が流行りになって品切れにはなりますが、ワークマンは人気が出ているからといって、設備投資して増産には取り組みません。
その為、チャンスロスにはなりますが、流行りを追いかけての急な支出も発生しないということです。
あくまで既存の設備で増産できる分までしか増産しません。
また最近では首都圏のショッピングモール等にワークマンプラスという新事業を展開しています。
新事業はどの業界でも最初は赤字が続いたりしますが、メディア戦略が上手くて、出店した初月から最初の勢いが落ちてくる時期もずっと客足が続きます。
例えばお客さんが全くいないお店と、買わなくてもお客さんがたくさんいる店だと、後者のほうが新規客が入りやすいですよね。
その後者になるようなメディア戦略が出来ていて、元であるワークマンの専門店とは思えない一般衣料品店的戦略も出来ているのは凄いです。
特にワークマンの最大の強みである作業着業界というのは、専門店が他に存在しないといえるレベルです。
ホームセンターの一角にある程度です。
それが根幹にあるから売上は安定していて、挑戦的な店舗で売上を積み上げていくのでしょう。
アパレル業界ではまだまだ昔ながらの販売戦略が多いですが、もうそのやり方では黒字を維持するのは正一になりつつあります。
ワークマンくらいは難しくてもしまむらくらいになるには、中小規模アパレルでも大変革が必要でしょう。
ただ、その為の資金すら捻出できるかな。