誇張されたものもありますが、バブル経済の日本は凄かったですね。




国内の政策、経済方針と国際的な事情が見事に合致してバブルになったわけで、これを日本が単独で狙って起こすには、政府と経済界が一体的になったとしても難しいでしょうね。



当時は今よりも円安でした。

金融規制の多い日本とすでに金融自由化が起きていて、世界のアメリカでは価値が段違い。


バブル前だと一方的な値動きでしたから、FXやったら簡単に稼げそうですね。


当時のドル金利は20%近くありました。

日本も今の10倍以上の高金利ではありましたが、数軸通貨+高金利とかドル一強に当時のG5であるドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、日本が協調してドル安にする為替介入を実施します。


それが経済の歴史で有名なプラザ合意です。

今のアメリカはドル高大歓迎ですが、当時のアメリカは双子の赤字がやばいので、インフレ対策に逆行してでもドル安にしたかったみたいです。



このプラザ合意は以後の協調為替介入でも起きないほどの金融パニックを起こします。


24時間で20円もの円高です。

FXだと1ポジション当たり1円動けば±1万円ですから、成功すれば20万円ですね。


まぁ24時間で20円も動くと予想できる人がいるかはさておき。


更に1年でなんと240円から150円までと90円もの円高になります。



今騒いでいる自分らは35円くらいの円安ですから、年間でこんなに変動して輸出企業がよく耐えられたなと思います。



これによって、輸出企業は海外に製造拠点の移転が進み、内需企業が急速成長していきます。


輸出より輸入が稼げる時代だと様々な内需系企業が誕生して、日本は輸出特化型から内外バランス国家になれたわけです。



変わらないと社会的に死んじゃうような激変があったからこそのバブル経済の誕生でした。



プラザ合意は日本視点では批判も多いですが、それはこの余りにも急激すぎる為替のせいでしょう。


これにより、日本は海外企業や固定資産を買い漁りましたからね。


どちらかというと、プラザ合意というより価格の急変動で見かけ上安くなったから、中を見ずに買い漁って開けてみたらクズが多くて、バブル崩壊後に多額の減損を出すという投資としてはかなり素人じみたやり方が蔓延したのがいけないと思います。



為替の影響でiPhoneが24万円から1年で15万円になったかと言って買い漁ったら、iPhoneがアップデートされて個人情報が端末固定になって、中古として売れなくなりましたってなるようなものですかね


1台で十分なのに安い!と何台も買って使わないまま古くなってサポート外になったらiPhoneネットに繋げませんという形で減損して立ち直るのに20年かかったようなものでしょう。


ましてや、その後は様々な国際政策や日本の政策があってドル安良くないと言われつつも、長期的視点で見ると、ドル需要は増えているのにドル安になっていきますからね。



余ったiPhoneを中古で売ろうとしたら、円高が更に進んで新品が12万円で買えるから、新古品は7万円にしかなりませんというようなものです。



安いからと買い漁ったけど、iPhoneは供給量が莫大だから希少価値は出なかったということです。


しかも財テクやら投資ブームで、証券会社の営業では利回り10%がゴロゴロある時代でした。

それだけでは他社に勝てないので、今契約してくれたら1口毎にiPhone1台プレゼントみたいなことまでしていたので、更に値崩れでした。




バブル崩壊の一翼にもなったことで財テクという言葉は法人としてはいい感じしないようです。



しかし、現代も財テクの時代です。

個人ではNISAやIDECOと政府が財テクしろと推奨していますし、企業は政策保有株式を減らしつつも業務提携やM&Aという形で有価証券評価額は積み上がっています。


財テクが悪いのではなく、財テクで無理、無茶、無謀な運用や必ず稼げるという言葉を信じて経営に影響を及ぼすくらい投資しちゃうのがだめなのです。




バブル期に財テクで成功した会社もあります。

本業の売上が100億円の会社で、財テクで1000億円稼ぎまくります。


しかもこの会社はバブル化していた大型株や土地を、暴落する前年に全て売り抜けるというインサイダーが疑われるような驚きの成功をしまくります。




このバブル期の土地の値上がりっぷりが今の中国の大都市中心部です。


まぁ東京は5年で5倍くらいだったみたいですが、中国はそれ以上の値上がりっぷりで、年収1000万円ではタワマンどころか普通のマンションすらローン組めないんだそうです。


恒大集団が実質破たん状態ですし、中国の不動産バブルが弾けると、今の世界経済には更なるボディブローになるでしょう。


恒大集団の潰し方は政治判断一つなのでどうなるかわかりませんが、ロックダウンで落ち込んだ状態から回復する前に土地バブルが終焉となると、今はNYダウやS&Pほど下がっていない日経平均もどうなることやら…




バブルは中毒性が高い経済状況です。

しかも中毒性が高いけどみんながやっていてハッピー状態なので、恩恵を受けていない人がおかしい!と声を上げても聞いてくれません。


中毒なので株価や土地の価格が上がりすぎているのに気づいても、まだ上がるだろうからまだいいやとなるんだそうです。



ただバブルが弾けてからは一瞬です。

エスカレーターのように勝手に資産評価額がぐんぐん上がり、収入もがんがん増えていたのに、最上階についたら紐なしバンジーでしか降りれない状態なわけです。


下を見ると、点のようなベッドマットがあって、そこに降りれれば瀕死で助かるような状態。


バブルの頃はやたら持てはやされますが、バブルほど危険なものはありませんね。


一応、今の日本はバブルが起きないような経済政策をしています。

政府と金融機関がうらで実はやばいことしていたりしなければ、バブルを起こさせないことはこの2つが抑えることでできるらしいです。


後は海外の悪影響をどれだけ抑えられるかですね。