心理カウンセラー・公認心理師の栗林あや(いがぐりこ)です。
私たちの感情って、「他人の感情の影響を受ける」ことが、よくあります。
たとえば、「友達が泣いているのを見たら、その悲しみがこちらにも伝わってきて、何となく心が重くなる…」
そんな経験は、ありませんか?
それから「職場で先輩がイライラしていると、自分もなんだか落ち着かなくなってイライラしてくる。」
そんなこともあります。
これって、実は私たちの脳の「ミラーニューロン」の仕組みによるものだと言われています。
私たちの脳が、人の感情や行動を観察することで、自分も同じように感じたり反応したりする傾向があるのです。
この現象は、私たちが社会生活を送る上で、人と人とのつながりや共感を持つために大事なものですが、
時々、私たち自身を苦しめる原因にもなります。
もし、ふとした瞬間にネガティブな感情を感じて、心が重く沈んでしまったら。
「これ、本当に私の感情??」って疑問を持ってみるのもいいかもしれません。
「この感情は私のものではないかもしれない」と、一旦立ち止まって考えることで、不思議と、心が軽くなることがあります。
この考えは、実は心理学(ナラティブアプローチ)では「外在化」と呼ばれています。
自分に起こっている感情や反応が、必ずしも自分自身の内部から生じているわけではなく、
「外から影響を受けている可能性がある」と認識することで、心が少し楽になるのです。
この話は、FAP療法の大嶋信頼先生の著書『その苦しみはあなたのものでない』にわかりやすく書かれています。
↓
『その苦しみはあなたのものでない (SIBAA BOOKS) 単行本(ソフトカバー) – 2018/4/27』
(↑ファンタジーの読み物だと思って読んでみると面白いです。「正しさ」に囚われている人が読むと戸惑うかも(笑))
私がこの考えに最初に触れた時は、本当に驚きました。
なぜかというと、それまで私は、心のことを学んでいたので、
「自分が感じている不快な感情は、自分の中にある過去の原因が引き起こしているんだ」
と思い込んでいたからです。
そして、その原因が自分自身にあるのであれば、
自分自身で何かを改善しなければ、問題は解決しないと考えていました。
「自分の中に問題の種があるから、ネガティブなことばかり起きる」と考えていたのです。
でも、「この感情は自分のものじゃないかもしれない」と気づくことで、心がふわっと軽くなるんですよね。
これにはホント、ビックリしました。
これって、決して問題から目をそむけるわけではなく、自分の心との向き合い方を変えることで、ポジティブな変化が起きたのです。
他人の感情に振り回されずに、自分の心とつながることで、目の前の状況を客観的に捉えられるようになったんです。
これからも、周りの感情に心がざわついた時は、自分に戻って「本当にこれは自分の感情なのかな?」と問いかけることが、心の平和を守る鍵になりそうです。
先日のセミナーの一部で、そんなことを、ちょっとだけお伝えしました。
ふくちゃん先生が感想を書いてくださいました!
ありがとうございます。
私たちの周りには、自分のものではない感情が溢れています。
今の時代、SNSなどのオンラインでも「他人の感情」を感じ取ってしまう場面が増えて、心が揺さぶられやすくなっているのだと思います。
「正しさ」に囚われている時ほど、他人の感情と自分の感情を見分けることは難しく感じられるかもしれません。
でも、それに気づく一歩が、自分の心をより深く理解することにつながって、日々をもっと楽しく過ごす秘訣になるはずです。
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