心理カウンセラー・公認心理師の栗林あや(いがぐりこ)です。
私たちの人生には、忘れられないつらい出来事が、時々訪れますよね。
深く心に刻まれて、忘れたくても、なかなか忘れることができないものです。
そんな時こそ、心理学の知恵を借りてみるといいかもしれません。
「思い出は消せないが、その意味を変えることはできる」という考え方があります。
例えば、過去の失敗を振り返る時、ただ後悔するのではなく、
「そこから何を学ぶことができるか?」「この経験を何かに活かせないか?」と、考えてみるといいです。
そうすると、その経験が今の自分の糧に見えてきます。
そして、何よりも大切なのは「自分を許すこと」です。
過去は変えられませんが、自分を責め続けるのは、今この瞬間に止めることができます。
自分を許すという行為は、決して簡単なことではありません。
でも、そこには大きな価値があります。
自分に優しく、前向きな姿勢を取ることで、心の成長に繋がるのです。
じゃあ、実際にどのようにして過去の辛い思い出と向き合えばよいのでしょうか。
まず、自分自身に時間を設けて、その出来事を振り返ってみましょう。
その時、当時の自分が何を感じて、何を考えていたのか。
何を大切にしたかったのか。
そして、今の自分にとって、その経験がどのような意味を持つのかを考えてみてください。
その経験から学んだことを、具体的に書き出してみるのもおすすめです。
それは、たとえば「人に頼る勇気」かもしれないし、
「自分の感情に正直になる大切さ」かもしれません。
「自分を尊重することの大切さ」かもしれません。
そうすると、失敗や辛い経験をポジティブな学びに変えることができることがあります。
最後に、当時の自分自身に、感謝の気持ちを持つことです。
過去の自分が頑張ってくれたおかげで、今の自分が存在します。
あの頃の自分は、精一杯自分のことを考えて、当時はそれが一番良い選択肢(被害が少ない選択肢)だと思ったから、そうしたのです。
その事実を忘れずに、自分自身を認めてあげてくださいね。
これらのステップを踏むことで、少しずつですが、辛い思い出が違った印象に変わってきます。
小さな一歩が、あなたの心を少しずつ変えていくのです。
今日から、新しい自分との付き合い方を始めてみませんか?
きっと、あの出来事が、あなたの人生にとって「新たな意味」に見えてくるはずですよ。
何度も繰り返して抜け出せない悩みに