心理カウンセラー・公認心理師の
栗林あや(いがぐりこ)です。
「好きなことだけして生きよう」とか「好きな人だけに囲まれて生きよう」という考え方は、一見するととても魅力的ですよね。
実際に、嫌いな人を排除して、好きな人に囲まれて生きている(ように見える)人はたくさんいます。
確かに、最初のうちは楽しく過ごせるかもしれません。
うまく行っているように見えるかもしれません。
でも、長い目で見た時、この考え方には大きな落とし穴があります。
このスタイルを貫くためには、周りにいる人たちの中から「嫌いな人」を見つけて排除する必要があるのです。
こうして始まるのが、「嫌いな人サーチ」です。
周りの人の嫌な部分や、ダメな部分を粗探しのように見つけ出し、ひとりひとり排除していくのです。
このようにして嫌いな人にフォーカスし、排除を重ねていくと、周りの人数はどんどん減っていきます。
どんどん孤立していきます。
そんな人をたくさん見てきました。(そして私にもそういう面があります。)
もともと好きだった人たちの中からも、小さな嫌いな部分を見つけ出し、排除しようとするようになるのです。
結果として、大好きだった人たちまで、嫌いになってしまう。
「好きな人に囲まれたい」「一人は嫌だ」と思いながら、実は好きだった人も嫌いにしてしまっている、という矛盾が生まれます。
最終的には、最後に残った大好きだったあの人の中にも、許せない嫌いな部分を見つけてしまいます。
こうして、自分の世界はどんどん狭まり、孤独感に包まれることになるのです。
一見、幸せそうに見える「好きなことだけして生きる」スタイルですが、長期的には、自分を孤立させるリスクがあるのです。
もしかしたら、「好きな人に囲まれたい」「一人は嫌だ」と言いながらも、最終的に「孤立」することが、
自分でも気づいていない「目的」なのかもしれません。
大事なのは、周りの人々や事物に対して柔軟な心を持つことです。
「あいまいさ」を受け入れることです。
人や物は、完璧ではないし、自分の好みに完全に合うことも少ないです。
この世はグラデーションで出来ています。
完全に好きな人なんていないし、好きな部分もあれば嫌いな部分もある、それで普通なのです。
結局のところ、幸せな生活を送るためには、「好きなものに囲まれて生きる」ことだけに固執するのではなく、
自分と他人の「あいまいさ」を受け入れることが大切なのかもしれませんね。
あの人が嫌い、でも好き。
好きなところもあるけど、嫌いなところもある。
尊敬できる時もあれば、見下してしまう時もある。
一緒にいたい時もあれば、顔も見たくない時もある。
そんな「あいまいさ」を認めることが、本当の自由なのかもなって思います。
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