心理カウンセラー・公認心理師の

栗林あや(いがぐりこ)です。

 

 

私は昔、「私には自信がない。自分の意見がない。だから私には価値がない。」と感じていました。

 

自信満々な人がうらやましかったです。

すごいと思っていました。

 


たとえば、社会情勢についても、話題のあのニュースについても、身近なあの出来事に対しても、

 

自分の意見を持っていて、「あれはおかしい」とか、「もっとこうあるべき」と、堂々と言える人が「すごい人」だと思っていました。

 

そんな人たちが、自分の強い意見を披露するのを見て、私は、うらやましく思っていたのです。

 

 

何にでも意見があって、それをしっかりと発表できる人を「すごい」と感じ、

 

反対に私は、何も言えない「ダメな人間」と自己評価を下げていました。

 



でも、心理学と出会って、その考えが変わりました。

 

特に「社会構成主義」の考え方に触れたことで、私は「物事には必ずしも一つの『正解』があるわけではない」と気づきました。

 

 

社会構成主義とは、簡単に言えば、「私たちの認識や価値観は、社会的な要素や文化、言語、環境によって作られる」という考え方です。

 

例えば、「美しさ」や「美味しさ」の基準も、日本で育った人とアメリカで育った人とでは異なることがよくあります。

 

それは、各国の文化や歴史、メディアなどが私たちの価値観に影響を与えているからです。

 

 

 

この社会構成主義の考え方が、私にとっては新しく、心地よかったのです。

 

何が正しいかを100%知っている必要はないんです。

 

それどころか「何が正しいか」なんて、人それぞれの背景や価値観によって違うものなのです。

 

だから「無知の姿勢」でもいいのです。

 

 

その時はじめて、あの人たちのように強い意見を披露できない自分を「これでもいいんだ」と思えました。



この考えが、今の私のカウンセリングのスタイルに大きく影響しています。

 

私が行っているFAP療法は、ナラティヴ・アプローチと関わりの深い心理療法です。

 

 

クライアントが、私のところに訪れる理由はさまざまですが、その背後にはその人自身が信じている、独自の「物語」があります。

 

その物語には、何らかの「問題」が存在していて、それがクライアント自身を支配していることが多いのです。

 

 

例えば、ある人が「自分はわがままだから嫌われている。だから友達ができない。」と思っていて、自信を持てない場合、その人の頭の中は「自分はわがままだ」という物語の問題でいっぱいなのです。

 

でも、その「問題」はごく一部分であり、その人全体の人生を代表するものではありません。


だから、私のカウンセリングでは、まずその「問題」をクライアントから切り離して(外在化といいます)、その後で新しい物語を一緒に作っています。

 

新しい物語が生まれると、それによって自分自身を新たな視点で見直し、社会との関わり方も変わるのです。

 

これを「ナラティヴ・セラピー」と呼びます。

 

 

 

ナラティヴ・セラピーとは、人の問題を一つの「物語」としてとらえ、その物語を再構築する心理療法です。

クライアントが抱える物語の多くは、ネガティブで否定的なものが多く、しかもその物語は「クライアントを支配する物語」となってしまっていることが多いです。

 

でも、そこには例外もたくさん隠れています。

 

その例外を見つけ、新しい物語に織り交ぜることで、クライアントが新しい自分を見つける手助けをするのです。



「自分に自信がないから、私には価値がない」と思っていた私自身が、それをカウンセリングの際に「無知の姿勢」として活用することで、意外にもたくさんの方のお役に立てられるようになりました。

 

子供の頃から抱えてきた劣等感が、大人になってこんなにも価値のあるものに変わるなんて、思いもしませんでした。



何が正しいかなんて、実は誰にもわからない。

 

それでも、その「わからない」を力に変え、人々と深い対話ができるよう心がけています。

 

そしてその姿勢が大事だと、あらためて今、思うのです。

 

 

 

社会構成主義とナラティヴ・セラピーを学ぶことで、

 

私自身の物語が「自分に自信がないから、私には価値がない」と思っていた「支配の物語」から、

 

「無知の姿勢として活用することで、たくさんの方のお役に立てられる」という可能性を持った「新しい物語」として広がりました。

 

 

 

もちろん、すべてがうまくいくわけじゃないけど、

 

何かあっても「何が正しいかなんて、実は誰にもわからない。」から。

 

それ以降、自信満々な人を見ても、うらやましいとは思わなくなったし、以前のような強烈な劣等感も、ほとんど感じなくなりました。

 

いつの間にか、「へえー!そんなふうに思う人もいるのねえ。おもしろいなぁ。」って捉え方に変わっていました。

 

 

 

「何が正しいか」なんて、人それぞれの背景や価値観によって違うもの

 

当たり前のことかもしれませんが、それが腑に落ちたら、私の前には、わりと穏やかな世界が広がっていました。

 

人生がなんだか楽になりました。

 

面白いですね。

 

 

 

 

 


 

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