心理カウンセラー・公認心理師の
栗林あや（いがぐりこ）です。
私たちが日常で感じる「変わりたい」という気持ち。
それは誰もが持つ欲求です。
でも、なぜかその一歩を踏み出せない、変われない。
そんな経験、皆さんも一度はしたことがあるのではないでしょうか。
今日は、そんな「変わりたいのに変われない」理由と、
それを乗り越えるための新しい視点を書こうと思います。
まず、私たちが変わりたいと思っても変われない一番の理由は「二次利得」があるからです。
二次利得って聞いたことあるでしょうか？
これは、問題を解決しないことで得られている「隠れたメリット」のことです。
例えば、ダイエットをしたいと思いつつ、甘いものを我慢できない。
その裏には「甘いものを食べることで得られる一時的な安心感」があるのです。
例えば、人と仲良くなりたいと思いつつ、人の輪の中に入れない。
その裏には「一人でいた方が傷つかなくて済むというメリット」があるのです。
これが二次利得です。
自分にとっての「二次利得」がなんなのかをを意識することで、
自分の本当の欲求と向き合うことができるかもしれません。
次に、変わることへの本能的な「恐怖」です。
わたしたちは、新しいことを始める時、必ず未知のものに対する不安や恐れを感じるものです。
これは、変化を恐れる人間の本能ですね。
変化を起こすには、この恐怖を乗り越えることが必要です。
つまり、恐怖を乗り越えるというのは、本能を乗り越えるってことなので、なかなか容易ではないのです。
例えば、新しい仕事や趣味を始める時、最初はわからないことだらけで、戸惑うかもしれません。
でも、勇気を出して新しい一歩を踏み出すことで、新しい自分との出会いや新しい経験が待っていますよね。
私たちが変わりたいと思っても変われない理由は、
この「変わらないことで二次利得があるから」と、「本能的な恐怖があるから」です。
つまり、逆に言えば、
変わりたくない時は、二次利得を脅かして、恐怖を増やせばいいのです。
つまり、私たち人間は、
大きく変化を起こそうとすればするほど、
今ある二次利得を失ってしまいそうでますます変わりたくなくなるし、
恐怖が増幅して変わるのが怖くなる。
ということです。
シンプルに言ったら、「変わりたいなら、でっかく変えようとしてはダメ」ということです。
急激に変化を起こそうとすると失敗します。
だから、大きな変化を求める前に、まずは小さな一歩から始めてみる。
自分の本能が気づかないくらいの、めっちゃ小さな変化でいいです。
例えば、新しい趣味を始める時、
まずは関連する本を数ページ読むとか、YouTubeで興味のある動画を見ることから始める。
例えば、日記を毎日続けたい時は、
まずは小さな一歩として「寝る前に日記帳をとりあえず開く」を目標にする。
など、「そんなんで意味あんの？」って疑問に思うくらいの、小さな変化でいいのです。
小さなアクションを積み重ねることで、大きな変化に繋がります。
小さなアクションであれば、恐怖はそれほど大きくなりません。
今抱えている二次利得が、おびやかされることもありません。
新しいことを始める時に不安や恐れはつきものですが、それが大きすぎると心の ブレーキが働きますので、
「恐怖や不安の小さい範囲で行う」というのもコツです。
そして、最後に、「自分に優しくすること」です。
ここまで読んで
「は？！変化に恐怖はつきものだから、その恐怖を乗り越えてこそ勇者なんだ！」
「何甘ったれたこと言ってんだ？！そんなんだから変われないんだよ！」
と思った人は、ちょっと自分に厳しくしすぎているかもしれません。(笑)
ちょっとスパルタに偏ってますね。(笑)
確かに、変わることは容易ではありません。
でも、無理しなければその結果が手に入らないわけではありません。
無理すれば、必ずどこかでガタがくるものです。
この先に待っている新しい自分との出会いや経験を、ワクワクと楽しみにできるくらいの、やさしい範囲で大丈夫です。
変わりたいのに変われない時に見直すことは
「スパルタになりすぎて、大きく変化を起こそうとしていないか？」
を確認してみてください。
今日から、小さな一歩を踏み出して、新しい自分を目指してみませんか。
栗林あや（いがぐりこ）でした！
何度も繰り返して抜け出せない悩みに
