いがぐりこです。

 

 

この心の界隈にいると

 

「人と自分を比べないようにしよう」

 

というキーワードが時々出てくることがありますが、

 

 

ぶっちゃけ

 

これは、ムリな話です。真顔キラキラ

 

 

 

残念ながら、

 

「人と自分を比べないようにしよう」というのは

 

仙人でもなけりゃ、無理です。

 

 

人間は、自分と他人を

 

どうしても比べてしまうものなのです。

 

 

 

 

 

 

心の界隈では

 

人と比べないのが望ましいことで、人と比べることはいけないこと

 

・・・という風潮があります。

 

 

 

だからなのか、

 

カウンセリングをしていると

 

「人と(ライバルと)自分を比べてしんどくなってしまうが、どうしたらいいか」

 

という悩みを相談されることがあります。

 

 

 

それは、厳密にいうと、

 

誰かと自分を比べてしんどいというよりも、

 

「誰かと自分を比べてしまうことをダメだと思って排除しようとしているが、排除できないからしんどい」

 

のです。

 

 

当たり前です。

 

しんどくて当たり前。

 

それ。

 

人の心の仕組み上、なくせないものだから。

 

 

 

 

人の心には「参照点」というものがあります。

 

 

行動経済学や証券取引などで使われる言葉ですが、

 

人には、優劣や損得を決める際の基準となる

 

「参照点」という概念があって、

 

それを基準に、相対的に物や人の価値を判断しています。

 

 

 

 

たとえば、うちの畑でピーマンを育てているんだけど、

 

こういうのが収穫されました。

 

 

 

 

デカっ!!!ポーン!!

 

 

って、反射的に思うよね。

 

思っちゃうよね。

 

でかいから、受話器みたいにしちゃうよね。(笑)

 

 

 

 

んで、

 

なんで反射的に「デカっ!!」て思っちゃうのかっていうと、

 

私の中で、

 

「ピーマンって、普通、このくらいのサイズよね。」

 

「他のピーマンはこのくらいよ。」

 

っていう、私の中で基準となるサイズがあるのです。

 

 

 

 

 

 

わたしのピーマンの基準となるサイズって、だいたい左のサイズ。

 

 

それは、過去の経験でいろんなピーマンを見て来た上で

 

私が心の中で決めた「参照点」とも言えるでしょう。

 

 

(正確な経済用語については、わたしは専門家じゃないので、ざっくりです。興味のある方は調べてみてください。)

 

 

 

私は、心の中で決めた「参照点」のピーマンサイズと比べて

 

「このピーマンは大きいな」とか

 

「このピーマンは小さいな」とか、

 

ピーマンを見た瞬間、反射的に判断してしまうのです。

 

 

 

もし、わたしに

 

この「参照点」や「他と比べる習性」がなければ、

 

目の前にあるピーマンがデカいのか、

 

それとも小さいのかわからないし、

 

 

取りごろなのか

 

それとも、収穫の時期を過ぎてしまっているのかも

 

何かしらの基準がなければ、わかならいのです。

 

 

 

これは、人間に必要な機能です。

 

 

 

この機能が備わっているからこそ、

 

このピーマンを見た瞬間

 

 

デカっ!!!ポーン!!

 

って、思ってしまうものなのです。

 

 

 

 

 

やめようと思っても、でかいと思っちゃうのです。

 

 

 

これは、こころも同じ。

 

 

「人と比べないようにしよう」と思っても、

 

それは、人間の習性であり

 

必要な機能であるので、やめられません。

 

 

 

人は、他者と比較ですることで

 

自分の立ち位置が見えて来るし、

 

自分が何が得意で、

 

何が苦手で、

 

自分がどんな能力に長けていて、

 

自分は何が好きで、

何が嫌いで、

 

自分は何を愛しているのかがわかるのです。

 

 

 

「誰かと自分を比べてしんどくなってしまう」という人は、

 

誰かと自分を比べてしんどいのではありません。

 

「誰かと自分を比べてしまうことをダメだと思って排除しようとしているが、排除できないからしんどい」のです。

 

 

 

つまり、

 

人間に備わった、重要でなくせない習性を

 

無理になくそうとしているからしんどいのです。

 

無くせないはずのものを、

 

無くさなくちゃ!と消そうとして

 

でも、そうできない自分を責めているから、しんどいのです。

 

 

 

まずは、

 

人と比べてしまう自分を責めるのをやめてみてください。

 

それは、上にも言った通り、人間の大事な習性です。

 

なくしてはいけないものです。

 

 

これだけで、楽になる人もいると思います。

 

 

 

で、それができたら、

 

今度は、世間の風潮やセオリーのなかで

 

「自分がそう在ることができないもの」があったら、

 

ちょっと疑ってみるといいと思います。

 

 

「こうでなければらなない」という思考の方を

 

「本当かな?」と疑ってみるのです。

 

 

 

「人と比べないのが望ましいことで、人と比べることはいけないこと」

 

・・・それって、本当?

 

 

「人と比べないようにしよう」

 

・・・それって、本当?

 

 

 

 

例えばこんなケースもあるよね。

 

世間一般の幸せな家族像が幻想じゃないか?って疑ってみる。


 

 

ある程度「疑ってみる目」も必要です。

 

それがないと、悩まなくていいことで悩んでしまうことがあります。

 

 

今の自分がスタンダードで普通でOKなのに、

 

マイノリティーではないか?と悩んで、

 

誰かが勝手に作った理想郷を目指して苦しんでしまうことがあります。

 

 

それは、本来悩まなくていいことで悩んでいるから無駄なことだし、

 

本当はここにあるはずの幸せが

 

誰かの理想郷のせいで見えなくなってしまうのだから、

 

本当にもったいないことです。

 

 

 

実際のところ、

 

自分が実践できた上で

 

「人と比べないようにしよう」って言ってる人って

 

めちゃ少ないと思うんですよね。

 

 

 

あなたはできますか?「人と比べないこと。」

 

 

 

わたしはできないですね。

 

ピーマンでさえ、比べちゃうのだから。

 

比べていいんですよ。

 

比べて普通。

 

 

 

「普通」という言葉を使うと、

 

過剰に嫌悪感を示す人がいますが、あえて使います。

 

 

人と比べちゃうのが「普通」だし、人間の機能上、それでOKです。