いがぐりこです。

 

今日は、婆さんのデイサービスの日だった。

 

 

 

婆さんは、デイサービスに行って、

 

「自分は年寄りである」という

 

セルフイメージを思い出すので、

 

帰宅すると、歩けなくなる。

 

 

車椅子を使う。

 

 

 

帰って来て、玄関の段差を上がり、

 

車椅子に乗せるのもやっとだった。

 

 

 

転げ落ちるようにして、

 

ベッドに倒れ込んだ。

 

 

 

「疲れてるのもあるだろう・・・」

 

そう思って、しばらくほっといたら、

 

 

夕ご飯の時間になって、

 

お婆さんがひょっこりと自力で歩いて

 

台所に現れた。

 

 

 

うおおおお!∑ヾ( ̄0 ̄;ノ

 

 

さっきまで、腰が抜けて立てなかったのに!!!!!

 

 

 

 

最近、骨折や体調が回復してきて、

 

ばあさんは自力で歩くようになってきたのだ。

 

 

亡霊かと思った・・・。お婆さんのその後。

 

 

 

 

婆さんの腹時計は、

 

セイコーの電波時計と同じくらい、正確。

 

ボケてるくせに、時間通り台所にやってくる。

 

 

 

そして、

 

「洗濯物入れにゃ!」

 

と、うわごとのように言いながら

 

妄想の洗濯物を取り込もうと、

 

ヨロヨロと、背戸の方に行こうとした。

 

 

 

「おばあさん〜洗濯物はもうさっき、取り込んだからね〜

 

大丈夫だよ〜〜〜」

 

 

わたしが、あわてて、止める。

 

 

 

「あれ、そうかね。」

 

 

 

 

さっきまで歩けなくて、

 

車椅子に乗せるのもやっとだったのに。

 

 

 

「・・・・・・。」

 

 

「・・・・・・・!!!!」

 

 

「洗濯物入れにゃ!」

 

 

また、背戸に向かおうとする。

 

 

 

 

「おばあさん〜洗濯物はもうさっき、取り込んだからね〜

 

大丈夫だよ〜〜〜」

 

 

 

そんなやりとりをなんども繰り返す。

 

 

 

このパワーはどこからくるんだ?!(@_@)

 

 

 

 

どうやら、脳内が、

 

自分が家事をしていた時代に

 

タイムスリップしているようだ。

 

 

 

お婆さんは、認知症が進んでから、こういうことが頻繁に起こる。

 

婆さんはタイムトラベラー

 

 

 

 

デイサービスに行ったり

 

病院に行ったり

 

親戚の人が訪問に来たりしたあと、

 

 

「自分は年寄りである」というセルフイメージが

 

脳内に叩き込まれている時は、

 

 

お婆さんは

 

無意識のうちに、年寄りらしく振る舞う。

 

 

 

けしてわざとではなく、

 

実際に腰も抜けて、立ち上がることすらできない。

 

 

 

そんな時は、抱きかかえる時、お婆さんの体がすごく重たい。

 

米袋よりもずっしりしている。

 

支えるわたしの腰が抜けそう。

 

 

 

 

でも、「自分は年寄りである」ということをすっかり忘れ

 

 

お婆さんの脳内が、家を守っていた頃

 

(お婆さんが60代くらいの想定か?)

 

にタイムスリップして

 

 

「私は家と子供を守る女衆」

 

というセルフイメージに書き換わった時は、

 

 

まるで火事場の馬鹿力のように

 

ものすごいパワーと速さで

 

洗濯物を取り込もうと、背戸へ向かう。

 

(実際にはヨロヨロと危険すぎる)

 

 

 

力が強すぎて、

 

ワタシだけでは止めきれないことがある。

 

ものすごい力。

 

 

 

そんなときのお婆さんは、

 

子供たちの格好を見て

 

「そんな背中出して寒かりそうに!!!!」

 

と、子供たちのファッションチェックにも余念がない。

 

 

 

「私は家と子供を守る女衆」

 

どうやら、自分が孫の世話をしていた頃の時代に

 

戻っているっぽい。

 

 

 

 

・・・・・・・。(=◇=;)

 

 

 

セルフイメージってすごいな・・・・・・。

 

マジですごいな。。。。。

 

 

 

よくわからんけど、

 

 

腰の抜けた年寄りも、

 

うまいことセルフイメージを

 

「50代のバリバリ働いてるワタシ」に書き換えたら、

 

ほんとうにそう振る舞うのかもしれない。。。。。

 

 

 

それは、時に生命力に影響を与えるほど

 

ものすごいこと。

 

 

 

実に興味深い。