Summer Wave #3 将亮 3

「おーい、待ってよ」やっとのことで二人に追いついた。
「将亮(まさあき)おせーよ。おっちゃんだな」腰に手を当てえばっている。
「お前らに比べたらもうおっちゃんだよ。」
「おっちゃんこの学校って爺ちゃんが通ってた学校?」と聡は古ぼけた校舎を見上げながら言う。
「いや確か爺ちゃんは東京生まれだったはず。だから学校は向こうのだな。」
「へーそうなんだ。したら爺ちゃんはなんでこっちにいるの?」と亮は竿を振りあまり興味のなさげに聞く。
「それはだな・・・。」と少し勿体振(もったいぶ)り、校庭の方にでて、船を指差す。
「あの船あるだろ。」
「うん。」
「あれ爺ちゃんが作ったんだ。」
「えっ嘘!?本当?」と亮は一変、瞠若(どうじゃく)して驚く。
聡は興奮して腕を振り回している。
※瞠若:驚いて目を見開いたさま
「だから爺ちゃんはこっちにいる訳。」
「そうなんだ。爺ちゃんは船を造る人なのか。でも船なら何処でも作れるんじゃないの?」
「うーんまぁな・・。戦後の重厚長大の経済の流れで造船の仕事をしていて、それでこっちにとばされちゃったのかな。」
「じゅーほうちょだい?飛ばされちゃった?」首を傾げている。
「ハハハッ、難しかったか。」
「でもなんで土の上にあるの?」
「あれは古くなっちゃって、もう海を走れなくなっちゃったから、ここで子供達の遊具になってるんだな。」
「そっかー。爺ちゃんすげー。」と何か含みながら言う。
「おや、何か企んでる顔だな」と勘ぐる。
「そんなことないよ。」とまたにやついてる。
「将亮早く釣りいこうよー」と聡が言う。
「そうだな行こう。行こう。」
「あー爺ちゃん行ってた学校がまだあったら凄かったのに。」と聡は呟いた。
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