On nOthing  -258ページ目

短編小説 Wonderful One Wonder 2

「なんなんだ?」と思わず呟きながら飲みものを買いに行く。

あっなんかの映画で見たぞ。確か首輪に拡声器とカメラがついていて、それで遠くからあたかも犬が喋っているかの様にみせるんだ。

もしかしてそれか?次に行く時にみよう。それならば合点が行くな。

でも、なんでそんな事やってんだ?

あっ、海外で良くやっているドッキリってやつか?

次に行ったらカメラが出てくんだな。

って事は俺テレビでちゃうの?えーまじかよ。あんなの流れたら笑い物だよ。

いや、今はやりの生放送かもしれない。そしたらもうお終いだ。

コンビニで飲み物を買い、犬の言うとおりにパン屋に行った。

頼むのが一瞬恥ずかしいと思ったが、状況が状況だから、すぐに頼んだ。

このまま去ろうとも思ったが、もしそれなら顛末をみてやる、という気になったのだ。

「すみません。パンの耳って頂けませんか?」と聞くとあそこにあるから勝手にもってってと昔堅気そうなおばちゃんが笑顔で言った。

「あっどうも」とお礼をし、店を出て犬のところへ行く。

近づくと犬が出てきた。その体裁を見て驚いた。スピーカーがない・・。

いや、違うところにあるのかもしれない。と思い仔細に観察するがそれらしきものはみあたらない。
「おい」と犬が言った。

「え?」

「パンくれよ。暫く食ってないんだ」

「そうなんですか?」と言いつつ、その耳を渡すとガツガツと貪り始めた。

「あー最近ご主人が出てこないんだ」と家の方をみる。

「はぁ」と言下に言いながら色々と訝る。

「ちょっと悪いんだけど、中見てきてくれないか?」

「えっ?いやそれはまずいんじゃないんですか?」なんて言って入ればいいんだ?

「いやでももしさぁ、なかで死んでたら大変じゃないか?」と諌める様に言う。

「えっ?」と突飛な事を言われ驚く。今までどっきりじゃないかと思っていた分、急にシリアスな事が犬の口から飛び出すから余計に驚く。

「なぁ頼むよ」冷静に考えると一気に畏怖(いふ)に襲われる。

「いつから出てきてないのですか?」

「うーん、一週間位か」一週間か、まだ大丈夫か?


 

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