ニシン・カズノコ弁当… 列車の旅では、車内販売や駅の売店で求められる駅弁が意外に良かったりする…


稚内駅から旭川・札幌方面へ南下する“スーパー宗谷4号”が、名寄(なよろ)駅で札幌から北上して来る“スーパー宗谷3号”と擦れ違うのは、現在のダイヤでは19時37分である…個人差はあるだろうが、夕食の時間帯である…


列車の車内販売は途中駅で弁当などを積み込むが、“スーパー宗谷”の場合は名寄駅で積み込む…この名寄で積み込まれるものが、写真の弁当である…


名寄は沿岸部の街ではない…旭川から北上した辺りの内陸にある…冬は寒さが厳しい土地だ…どういう訳か、この名寄の駅で積まれる弁当は、海産物の弁当だ!!


数の子というのは鰊の卵である…言わば“親子丼”ということになる…鰊の方は、居酒屋で味わえる焼き魚のような訳でもないが、味付けが良く染みている!!数の子の塩加減も良い!!おでんの具のような筍も好い!!


お茶を片手に…或いはビールも意外に合うかもしれない…稚内方面から南下する場合、名寄駅を出る辺りでこれを求めて、早速にガツガツといただき、「美しい車内のために…」とデッキのゴミ箱へ向かうと、「間もなく士別…士別でございます…Ladies and Gentlemen, we will make brief stop soon at Shibetsu…」とテープの声が流れる…列車は速度を上げるのだ…

エビとブイヤベースの“らーめんスパ” 氷点下の気温に強風…こういう時季は熱いスープを使った麺物が美味である…そういうものが欲しくなった際の新しい選択肢がこれである!!


“らーめんスパ”…聞き慣れないのは当然である!!稚内の仲通、駅前通側にある小さなカフェのランチメニューとして11月に登場したばかりなのである!!料理と音楽を愛する、イタリアンやフレンチの経験が豊富なマスターが、独自に工夫したオリジナルである!!他所には無い!!


イタリアンのパスタには色々な種類があるのだが、“カッペリーニ”という極細のスパゲッティがある…これを茹でて丼に入れると、ラーメン的な食感になる…これを利用し、よくあるラーメンとしてではなく、「スープスパゲッティのアレンジ」として提供しているのが“らーめんスパ”である…


現在4種類の味があるのだが、私はこの「ブイヤベース」を推したい!!


ブイヤベース…これは南フランスで起こったとされる、魚介類のスープである。様々な海産物を鍋で時間を掛けて煮込んで作る、大変手間の掛かるスープなのである。これに、茹でてから炒めたエビなどを加えたスープが使われた“らーめんスパ”だ!!


「一寸辛め…」とお願いすると、唐辛子を漬け込んだオリーブオイルを適量加えてくれる…ラーメン同様割り箸でいただくと良い…非常に温まる!!また海の幸の旨味が確り出た、非常に手間の掛かったスープは絶品である!!


この丼風器に入った、“カッペリーニ”とスープだけでも良いが、スープと具を少し残し、ご飯を頼んでそれに入れるというのもなかなか良い!!“ブイヤベースの即席リゾット”という雰囲気になる!!


稚内での「一寸他所では見掛けない、美味しいものを昼食に…」という方があれば、これはお勧めしたい…何となく魚介類を乗せてみて“海鮮○○”と名付ける場合が見受けられるが、このブイヤベースの“らーめんスパ”に関しては、本当に海の恵みを活かしたスープが手軽に楽しめるのだ!!

“烏賊のチャンチャン焼き”… 稚内へやって来た友人と、夏にはウニ丼を出す店へ寄った…土地の産物も利用した料理を楽しみながら、日本酒を軽く呑むという趣向である…


“チャンチャン焼き”というものがある…海産物に味噌を乗せて豪快に焼くという代物だが…


その一種という位置付けの、オリジナル料理で、他所では味わえない代物が、この烏賊のチャンチャン焼きである!!


刺身でもいただけるという、鮮度の高い烏賊を綺麗に切ってばらし、烏賊の内臓を隠し味に、甘辛い味噌で味を付けるものである!!これが好い!!日本酒に合うのだ!!この日は“鬼ころし”という北海道の酒を、冷酒でいただいた…


“鬼ころし” 稚内は烏賊のイメージは強くはない…しかし、日本海で操業する各地の烏賊釣り舟が寄港することから、意外に新鮮な烏賊も入るようだ…


こういうものはなかなか好い!!

“ウズベク風プロフ” 思い付いて、強引な日程で札幌を訪れてから、何時の間にか時間が経ってしまった…「転勤族で、現在は札幌在住の友人を誘って…」と夕刻に立ち寄ったのは、札幌都心では旧くからの商業地区である大通の南側の商店街にあるロシア料理店である…実際には友人が業務繁忙で、一人で静かに訪れたのだが…


開店してからどの位の年月が経つのか…創業者の奥様であるママさんと料理人で切り盛りしている小ぶりな店で、旧ソ連全域に縁の様々なものがさりげなく散らばる、適当に枯れた店内で彼の地の様々な料理や酒が愉しめるという場である…一人で行っても、何人かで行っても、それなりに好い雰囲気だ!!


“ロシア料理”などという些か変わったもの…そういうものに関して、“愛情”というのか、何らかの“想い”を持つ人が、地道に店を切り盛りして、一寸変ったものが好きな人達に供し続けるというのでもなければ、なかなか根付くものではない…デパートの“○○物産展”のように、一定期間そういうものを供したからといって、時々立ち寄ろうという人が増える訳でもなく、地域に根付く訳でもない…この店は、「ロシアの料理や、彼の地の文物に関する話題を肴に…」などと旧くからの商店街を行き交う人々と共に、何十年かで様変わりしている街を見詰めてきたのだ…


“プロフ”というのは、ピラフである…中央アジアに起源を持つもので、ロシアなどで「メインディッシュの付け合せ」的に、肉や魚の皿の端に盛られている場合もある…そういうものだが“飯もの”が好きな私は、これがあるというと、何か確りと食べたくなる…私は“2人前”を皿に持ってもらい、「夜行列車で移動する前の腹ごしらえ…」を楽しませてもらった…


中央アジア…イスラム教の国々だ…そうした国々では羊肉や鶏肉がポピュラーな訳だが、プロフの具もそうした肉だ…この店では羊を使っていた…そして適当に胡椒が利いたピラフになる…綺麗に平らげた…

“メイン”ということにさせていただいたプロフも良いが、付け合せのザク切の野菜にはサワークリームが適量かけられていて、ロシアなど「彼の地の流儀」になっていた。これも良かった!!


週の真ん中の祝日で、必ずしもこうした店が賑わう状況でもなかった筈が、どうしたものか混み合っていたので、料理を待つ間にビールをもらって1本いただいた…


この“バルティカ”という銘柄は、バルト海に開かれたロシアの港町にして、ロマノフ帝政の都でもあったサンクトペテルブルグの産である。幾つか種類があるのだが、「一人でゆったりと1本空けよう…」というのであれば、しっとりした黒ビールが好い!!英国のパブで“スタウト”と称している、ゆったりと空けるタイプのビールに通じるものがある!!


様々な地域の文物が交差していく中で、“ロシア料理”と称する定番料理も形成されてきた…街角の小さな枯れた店が、そうした広い世界に通じる…なかなか浪漫的ではなかろうか…

“チキンフィレサンド プレミアム”… 白身魚のフライとタルタルソースが気に入っていて、「フィッシュフィレサンドをもう一つ」と思いながら、こちらを頼んでしまった…

という「序で…」の出会いながら、これも好い!!


“平日は余り寄らない地区の店”は本来フライドチキンの店である…チキンは良い!!それにレタスとマヨネーズ…


これもファンになりそうだ…

“フィッシュフィレサンド”… 休日の、「朝食にはやや遅く、昼食にはやや早い…」という食事…


そういう時間には、何かこの種のものが好きだ…


平日は余り寄らない地区の店のこのメニュー…白身魚のフライとタルタルソースが好い!!


“ヒレカツ定食”… 定食と名が付くもの…それ程色々と試している訳でもないことに思い至る…他に好みのものが多々あるからに他ならないのだが…

最近、近所でなかなか“満足度”が高い定食に出会った!!“野口英世博士約1名”で大き目のヒレカツが4枚!!カツには“付き物”のキャベツが盛られ、ご飯と味噌汁が添えられる…これは好い!!!!

焼いた肉もカツも、元々は同じ肉な訳で、両者は然程違いがある訳でもないと思う…が、カツを口にした際の独自な“サクサク感”とでも呼ぶ他ない感覚は、焼いた肉では決して味わえない!!そして、ヒレ肉の柔らかさ!!これは素晴らしい!!

このヒレカツ定食…「大満足の夕食」である!!2人前位は平らげてしまいそうだが、夕暮れに食べ過ぎるのは身体に良くない…そういうくだらない心配をしたくなる程、夢中でいただけてしまう!!

帰宅途中の薄暗い道に灯る、仄かなランプに誘われて立ち寄ってみると、中は寧ろ居酒屋的で、他にも料理はあるのだが、“サイド”的にやっている定食がなかなかに素敵だ!!

“ビーフシチュー” 実はこれをこうして御紹介して良いのか…或いは密かに「私だけのお楽しみ」として黙っておくべきなのだ…約3ヶ月考えに考えた…結局、先日久々にこれを食する機会に恵まれた際、思わず記念に写真まで撮り、更に2週間迷った挙句「素晴らしいものは紹介しなければならない!!」と決断した…


やや大袈裟な書き出しだが、このビーフシチューは素晴らしい!!私にとっては“想い出が詰まった店”の名物料理で、そういう意味の価値もある一品なのだが、そういう私的なものを一切度外視して、これは素晴らしい!!


写真をご覧いただけば一目瞭然だが、大きな肉が入っている。これが時間を掛けてじっくりと煮込んだもので、フォークで突いて持ち上げると「ボロッ」と肉が千切れ落ちる程に柔らかく煮込まれている…そしてトマトの酸味が適度に利いた特製デミグラスソースでシチューに仕上げる!!途轍もなく手間が掛かる一品だが、価格は1,470円と至ってリーズナブルである…「ありますか?」とわざわざ電話を寄越す客まで居て、それで備えていたこれが沢山出てしまうと、「また仕込み!!」と店主はどきどきで、店が繁盛して忙しい時は、これの準備に手が回らないと“嬉しい悲鳴”になってしまう…そんな代物だ!!


実はこれを出している店は、3年前までは歩いて数分の場所にあった…そこが、一帯を襲う羽目になった火災 で店が焼失した…その後、曲折を経て稚内の郊外にある勇知地区に店主が改めて開いたレストランで、このビーフシチューはいただくことが出来る…市内から車で20分から30分の場所である…各種の雑誌などで取り上げられた店で、観光シーズンはなかなかの賑わいだ…私としては、遠いので訪ねる機会が激減してしまったのだが…


とにかくこれは、他所では簡単には出会うことが出来ないビーフシチューだ!!

“塩ラーメン”… 稚内駅の直ぐ傍にある老舗のラーメン屋…メニューは「塩ラーメン、しょう油ラーメン、ライス」とたった3点のみである…


その老舗の塩ラーメン…北海道の小さな街の一隅で、古くからやっている小さな食堂のラーメン…その典型的な姿がこれだ…

駅の傍と立地が良く、著名人がテレビで取り上げた経過もあり、昼食時間は混み合っていることが多い…短いものながら、稚内では珍しい“行列”というのを見ることさえある…


一口に「北海道のラーメン」と言っても、さまざまな姿がある…この“塩ラーメン”のような姿は、“一典型”と申し上げても差し支えないと、“長年の北海道民”として感じる…

“冷やし中華”… 「時季ならではの愉しみ!!」という“季節限定メニュー”というものがある。“冷やしラーメン”、“冷やし中華”というのは、そういうものの典型例であろう…


私が毎度“大盛”で愉しむ店では“冷やし中華”と呼んでいるメニュー…充実のヴォリューム感溢れる具と、味噌味風なタレが食欲をそそる!!


概ね7月、8月に限定されるメニューなのだが、毎年7月の声が聞こえると、いそいそとその店に足を向けて「今季は何回?」と張り切って食べる…