子宮内膜が薄くて悩んでおられる方へ ~ビタミンE~ | 卵子提供・着床前診断コーディネーター実績28年 サンフランシスコIFC 川田ゆかりの『卵子提供エキスパート妊活教室』ブログ

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皆様こんにちは!

 

夏休みを利用して渡航治療される患者様の数が多く、

本業でばたばたしているうちに、ブログの投稿がしばらくできておらず、申し訳ございません!

 

さて、今日は子宮内膜のお話です。

 

不妊治療を続けておられる方の中には、

 

「子宮内膜がなかなか厚くならなくて。。。」という悩みをもっておられる方も想像以上に多いようにお見受けします。

 

ただ、ときどき医師から充分な説明をお受けになる機会がなくて、

月経周期の最初のところ、つまり、生理出血が終わったばかりのようなところで計測した子宮内膜が薄かったことで並んでおられる方も、これまでのご相談の中で多くおられたので、念のためにご説明しておきますと、

子宮内膜は、月経周期(自然周期でも、ホルモン剤で作り上げた周期でも)の、どの段階にいるか、によって、

薄くあるべきときと、厚くあるべきときとがあります。

 

つまり、月経周期の中で、子宮内膜の適切な厚さは「変動して当足り前」のものである、ということになります。

 

生理、というのは、その周期で妊娠が成立していないと、

「子宮内膜」が、剥がれ落ちる、という状態が「出血」、つまり、生理出血になります。つまり、生理出血が終わった直後では、

「子宮内膜は薄くあるべき」なのです。

そのタイミングで薄い、というのは、つまり、「古い子宮内膜の組織が、しっかり剥がれ落ちてくれた」ということを意味しているからです。

 

実際に妊娠するまでは、この毎月の生理出血がとても重要で、古い組織を剥がし、

毎月新しい組織を形成することで、妊娠するときに、良い状態の新しい組織による子宮内膜が出来上がっている、というのが理想的、ということになります。

 

卵子提供プログラムの場合は、閉経(原発性無月経、早発閉経も含む)されている方も多くいらっしゃいますが、

その場合は、安全なホルモン剤を使用して、毎月の生理を数回起こした上で

胚移植に進むことが多くなっています。

ここでいう安全なホルモン剤、というのは、生理不順のときに普通に医師から処方されるものより、更に妊娠するにあたり安全性が長年確認されているものなので、

このあたりはご心配不要かと思います。

 

子宮内膜が厚くなっていなければならないのは、

もちろん、体外受精治療でいうと、「胚移植」を行うとき、となります。

受精卵を移植するタイミングで、子宮内膜が厚くなっていなければ、着床できないからです。

 

私達が、薄いお布団で寝ようとするとうまく値付けなかったり、

体が痛くなってしまうように、

受精卵も、ふかふかのお布団のように厚くなった子宮内膜の方が、

着床してくれやすくなります。

 

子宮内膜が薄い、という場合、

例えば、クロミッドを使っての治療をされておられる場合は、

その周期では、この薬の影響で、内膜はどうしても薄くなりがちです。

そのため、別の周期で凍結胚を移植するのであれば、適切なホルモン剤を使用し、内膜は厚くなる可能性があります。

 

胚移植の日に向けて、内膜は、理想的には8ミリ以上あるとよいのですが、

私達のプログラムでも、8ミリに至っていなくても、7ミリ台であれば、妊娠例は多くあります。

 

でも、それが6ミリ台になってしまうと。。。それはかなり厳しくなる、というのが現実です。

 

まずは、ホルモン剤の投与プロトコルを、担当の先生とご相談して、

何とか厚くなるようにご指導を受け、診ていただく、ということを行うしかないのですが、

私達のプログラムで、過去に、6ミリ台後半だったのに、

PRP療法を実施され、妊娠成立、そしてご出産に至った患者様は数名いらっしゃいました。

 

ホルモン剤だけではどうしても内膜が厚くならないとき、

米国の医師は、胚移植周期で女性ホルモン投与を開始する段階で、

ビタミンEも内服するように勧めています。

 

ビタミンEは、ホルモン剤ではないので、直接的に何ミリ厚くできる、とか、そういうことではないのですが、

どうしても内膜が理想的な状態に届かないとき、「隠し味」的な存在とはなってしまいますが、良い影響を与えてくれる期待が増える、とのことです。

これは副作用のある薬剤ではありませんし、担当の先生とご相談され、

内服を検討されてみるのもいいですね。

 

それでは、皆様の内膜が、胚移植のために適切な厚さになりますようにに願いつつ、今日のお話はこの辺で。

 

Talk to you next time!

(写真はイメージです)