日本の住宅地はアメリカに比較してまだまだ価格が高いと言われていますが、実はアメリカの※可住地面積は日本の57倍(46,170万ha)もあるのです。※実際に住める平地の面積
実際に日本の規模に似た国々と比較しても、たとえばイギリスの国土全体の面積は、日本の三分の二しかありませんが、可住地面積は日本の2.7倍もあるのです。
フランスでも、日本の4倍の可住地面積があり、しかも、イギリス、フランスとも人口は日本の約半分です。そう見ると国民一人あたりが利用できる面積は、イギリスでさえ日本の5倍となるわけです。
こうしてみると、日本は他の先進国に比較して可住地面積が狭く人口が多いのです。つまり土地が貴重なのです。だから、日本より国民所得が低い香港でさえ、可住地面積が狭いことから、地価は東京の2倍もしているのです。
規模が似ているイギリスと比較しても、可住地面積人口密度がイギリスの5倍も高いわけですから、単純に比較しても日本の宅地価格はイギリスの地価よりはるかに高くても良いはずです。
イギリスでは住宅全体に占める一戸建て住宅の割合は20%でしかなく、その他はセミ・デタッチ(一件の家が二つに区切られている)」や、テラス・ハウス(三戸以上が繋がった連続住宅)に住んでいます。
それでも、一戸建てに住みたいとなると、郊外の小さな古家(築30年~40年)でも2千万円~3千万円くらいはしますから、それを買って自分で最低限にリフォーム(とはいってもカーテンやクロス張替え程度)して住むことになります。
国民一人当たりの利用面積で日本の5倍もあり、国民所得も低いイギリスでさえ、住宅取得にはこんなに負担が多いのです。最近は、東京の地価を上回っている香港やシンガポールといった東南アジアの主要都市に加えて、アジアの経済発展が地価を押し上げており、韓国の首都ソウルまで東京の地価に近づきつつあるようです。
このように世界的規模で比較してみると、日本の、特に地方都市の宅地価格は明らかに安すぎる水準まで下落したといえます。今の宅地価格は30年前より安くなっているほどですから、当時の国民所得(250万円程度)から見ると、これは相当お買い得な水準まで来ているといえるでしょう。
そういえば、2002年に日本経済が底を打っていたと1年後ぐらい過ぎてから報道された時がありました。2002年頃は、都内のマンション価格も底値でしたが、不動産はまだまだ先が見えないから買うのは早いよというアドバイスが中心でした。しかし、その時は既に地価が上がり始めていました。
マンション用地を買収する業者にとっては、「未だ相場が底を打っていない」という状況でないと、用地を安く仕入れることは出来ませんからね。正に相場格言の「まだはもうなり」という時期だと思います。
それでは、今後の日本の宅地価格の検討です。モノの価格は基本的には需要と供給のバランスで成り立ちます。最近の価格は、世界同時不況のあおりを受けて倒産したり、競売に付されたりした特殊要因の物件が市場に出回って相場を下げたところに、デフレスパイラルによってさらに所得が下がることを悲観した方々が買い控えをしているといったことで、地価相場の下落に拍車をかけている状況で今の相場が成り立っています。
当社の周辺では、昨年の後半から優良物件には買いが入り始めました。当社の位置するJR常磐線友部駅周辺でも、小学校に近く駅までのアクセス良い住宅地などは、坪当り15万円以上でも求める方が出てきました。しかし一方、駅までの距離が遠く、教育施設からも離れていると、坪当たり8万円を切ってもなかなか売れません。
宅地造成による宅地の供給のためには、開発の許認可、区画道路の築造、土留擁壁工事、下水道、上水道の引込工事、公園工事、さらには、道路用地や公園用地の市町村への寄付といった減歩を計算すると、たとえば、何らかの特殊要因(競売等)で更地を安く(坪あたり4万円とすると)仕入れても、完成した造成地を最終的には12万円ぐらいで販売しないと、開発事業者は商売が成り立ちません。
給排水設備の無い農地や山林をそのまま買うとかだったら、坪当たり4万円でも5万円でも買えるでしょうが、きちんと上下水道やU字溝を含めた6mの舗装道路などが整備されている分譲地は、価格に限界があります。
また、現在は新しい分譲地の供給がほとんどストップしていますから、今後は優良物件から物色が進んできます。これは当面は、価格が上昇するというより、優良物件から無くなっていくということになりそうです。
しかし、郊外の物件や山林や畑などの未整備の土地は未だ下落するといった方向で、選択が進んでくるものと思われます。
日本の人口は2007年ピークに人口が減り始めていますが、世帯分離が進んでいるため、日本の世帯数のピークは2015年(茨城県は2020年)と予想されています。ということは潜在的需要があるということですから、景気が回復し金利が上昇を始めると、優良物件の宅地価格の上昇はあり得るかも知れません。
いばらき不動産 鈴木 http://www.if-sun.co.jp/