ツナイダテ×『まさき』と『かずなり』 ◇ちゅうへん◇ | 虹のSORA✱にのあい妄想文✱

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「まぁさきくんっ!どーこかな?こっちかなぁ??」

かずは…2箱目を開ける僕の横で待ち遠しそうな顔をしながらニコニコ笑う。

「きっと…さんはこめだよ」
「そうだよね」

2箱目にも『かずなり』と『まさき』はいないから、少しずつ、焦りだす胸の奥。
だって…折角のお誕生日会なのに見付けたいコアラのビスケットと出会えなかったらかずを悲しませてしまうじゃない。
そんなの嫌だって思うけど…3箱目も空振りだったから僕のテンションは落ちまくり。

「どうして…僕達の名前のコアラは見付からないの?」

4箱目にも『かずなり』と『まさき』はいなくて…焦りから苛立つ僕。

「きっと…ごはこめに隠れてるんだよ」

ローテーブルの上に置かれている5箱目を開けたかずは…ニコニコと微笑みながらコアラのビスケットを確認する。
また…空振りだったらどうしようって焦る僕が見守る前で一つずつ。

「…あぁっ!」

5箱目の全ての中身を見終わる前に嬉しそうな声を出すかずの小さな指先に『まさき』と書かれたコアラのビスケット。

「みてー!!まさきくんがいたよっ!」

得意気な顔のかずに『まさき』と書かれたコアラのビスケットを見せられ、更に…焦る僕。
だって…僕が出会いたいのは『まさき』より『かずなり』だから。

「貸してっ!」

僕は…かずから取り上げる様に5箱目のコアラのビスケットを奪った。
残りの中身をバッと皿の上に出して『かずなり』を探したけれど見付からなかったから、溢れる大きな落胆の溜め息。

「…ごめんね」

かずのお誕生日会なのに出会えたのは『かずなり』じゃなくて『まさき』のコアラのビスケットだとか。

「どうして…ごめんねなの?」
「だって…かずのお誕生日会なのに僕の名前だけとか、そんなのは嬉しくないでしょ?」
「そんなことないよっ!」

少しだけムッとした感じの表情のかずはローテーブルの上に『まさき』のコアラのビスケットを置き…キッチンの方へと走って行ったかと思ったら小さな紙袋を手に戻ってくる。
急に…プリンを食べたくなったの?って思いながら僕は首を傾げた。
かずの名前の『かずなり』を発見できないコアラのビスケットには飽きたのかもと、しょんぼりしながら。