篠山市への移築工事の続きです。
家の外観です。
2階にはアルミサッシをはめ込み外側に虫籠窓を作りました。
虫籠窓:ムシコマド 京阪の町家で、通りに面した中二階の部分にある格子窓。漆喰しっくい塗りの粗い格子が特徴。
この窓はもとのお屋敷にはありませんでしたが施主さんのご希望で作りました。
土台を木材で作りその上に漆喰を塗りました。
曲線を形作るのに苦労しましたが、職人さんが頑張ってくれました。
1階は背の高さまで焼杉を貼り、残りは漆喰で仕上げます。
玄関扉は再利用して、隣の窓には木製の格子を新たに付けました。
2階の様子
階段を上がって両サイドに大きな空間を作りました。
今後の暮らしの変化に対応できるように細かく壁を作りませんでした。
梁組の立派な丸太は移築前の建物のままです。
床は断熱性の望める30mm厚の杉板を張ります。
木目の風合いもあり温かみのある空間になりました。
最後に食器棚を作りました。
再利用した建具の昔ガラスの風合いが家の雰囲気によく合っています。
新材を使った枠部分はこの後、濃色を塗って仕上げました。
この度の移築も無事完工しました。
住環境を考え、竹小舞と土壁、床の杉板で構成したので
内部の空気は自然素材の呼吸により快適で落ち着きます。
今では薄れてしまった、手入れをして暮らす、という概念は
手間やお金は掛かりますが、
暮らしを整え、ものを大切にする、という習慣に繋がります。
施主さんご家族が健康に暮らし、長く住み継いで暮れることを祈っています。
ありがとうございました!
山口健二