古民家再生工務店“家事務所”の山口です。

 

篠山市への移築工事の続きです。

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 “古民家ストック”更新しました→合掌造り

 

 

家の外観です。

 

2階にはアルミサッシをはめ込み外側に虫籠窓を作りました。

 虫籠窓:ムシコマド 京阪の町家で、通りに面した中二階の部分にある格子窓。漆喰しっくい塗りの粗い格子が特徴。

 

この窓はもとのお屋敷にはありませんでしたが施主さんのご希望で作りました。

土台を木材で作りその上に漆喰を塗りました。

曲線を形作るのに苦労しましたが、職人さんが頑張ってくれました。

 

1階は背の高さまで焼杉を貼り、残りは漆喰で仕上げます。

 

玄関扉は再利用して、隣の窓には木製の格子を新たに付けました。

 

2階の様子

階段を上がって両サイドに大きな空間を作りました。

今後の暮らしの変化に対応できるように細かく壁を作りませんでした。

梁組の立派な丸太は移築前の建物のままです。

 

床は断熱性の望める30mm厚の杉板を張ります。

木目の風合いもあり温かみのある空間になりました。

 

 

最後に食器棚を作りました。

再利用した建具の昔ガラスの風合いが家の雰囲気によく合っています。

新材を使った枠部分はこの後、濃色を塗って仕上げました。

 

 

この度の移築も無事完工しました。

住環境を考え、竹小舞と土壁、床の杉板で構成したので

内部の空気は自然素材の呼吸により快適で落ち着きます。

 

今では薄れてしまった、手入れをして暮らす、という概念は

手間やお金は掛かりますが、

暮らしを整え、ものを大切にする、という習慣に繋がります。

施主さんご家族が健康に暮らし、長く住み継いで暮れることを祈っています。

 

ありがとうございました!

 

 

古民家再生工務店:事務所

山口健二

 

古民家再生工務店“家事務所”の山口です。

 

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今回は家の中の様子です。

 

台所の作業台の収納部分は古建具を使って作りました。

天板はステンレス、コンロはIHです。

作業台側の壁の一部は下地のままです。

これからご自分でタイルを貼られる予定です。

 

 

元のお屋敷の玄関の格子戸をそのまま使いました。

写真の奥は台所と一間で繋がっている和室スペースです。

畳の下は引き出し収納と畳を上げて使う収納を設けました。

手前に見える床には蓋付きの囲炉裏もあります。

 

奥の間との仕切りに迫力のある格子戸を入れました。

格子戸から天井までの空間が寂しかったので

大工さんに譲ってもらった欄間をはめ込みました。

 

階段の下はテレビスペースです。

テレビ台の下スペースには元々洗面台の下に使われていた扉を再利用しました。

 

脱衣所の洗面台は檜の板に穴を開けてボールと蛇口を付けました。

洗面ボールと蛇口はお客様が購入したものです。

 

階段は杉板を加工して階段箪笥を作りました。

引き出しと引き違い建具のバランスは施主さんにご希望を絵に描いてもらいました。

一番下の戸板は一枚のケヤキで作られていて今では珍しいものです。

取っ手は好きなものを探して付けられるそうです。

 

 

この建物は施主さんが広い空間をご希望されていたので

大きな2つの空間とその中に和室スペースを組み込みました。

 

利便性を考慮して浴室はシステムバスです。

台所収納は木で作りましたが調理コンロと換気扇、蛇口は

使い易いものを選びました。

 

施主さんのご希望を取り入れて、もとのお屋敷の良さを残しつつ

使い易く、身体思いの良い空間ができたと思います。

 

 

次は外観と2階の様子です。

 

 

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古民家再生工務店:事務所

山口健二

 

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構造材を組んで瓦を載せたら壁を作ります。

このお宅は小さなお子さんもいるため、住環境のことを考えて

土壁にします。

 

土壁の下地は昔ながらの工法で竹を編みます。

竹小舞は壁に粘りを持たせ、倒壊を防ぎます。

 

竹編みはさほど難しくはないのですが、施工面積も広く手作業のため

とても根気の要る作業です。

この竹は施主のご夫婦とご友人、ご家族が集まってみんなで編みました。

 

まだ寒い時期でしたので手がかじかむのを耐えながらの作業です。

 

 

竹を編み終えたら下地の土壁(荒壁)を付けていきます。

職人さんに指導してもらいながらこちらもセルフビルドで施工しました。

 

コテで平らに塗るのが難しく苦労しましたが、

終盤は慣れてきてペースも速くなっていました。

 

2階の様子

 

1回目の土壁(荒壁)を十分に乾かし、2回目の土壁(中塗り)を塗ります。

今回、内部の壁は中塗り仕上げにしました。

(漆喰や珪藻土を塗る場合は中塗りの上に施工します)

 

 

 

土壁の施工が終われば工事ももう少しです。

 

竹編み、土壁のセルフビルドには助っ人もたくさん来て頂け、

お昼時間はピクニックのようでこちらも楽しくなりました。

 

建てている家に、これから住まれる方に関わって頂けることは

とても大事なことだと思います。

家への愛着も大きくして頂けたのではないかと思います。

 

次は完成までの仕上げの様子を書きたいと思います。

 

 

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古民家再生工務店:事務所

山口健二