5239発目.「黒水仙の美女」 | 僕、家元(時々チキンハート)です。

僕、家元(時々チキンハート)です。

このブログは40男・家元の、100%自己満足垂れ流しでお送りしています。










(ネタバレあっても許してね爆弾


*名探偵明智小五郎宛てに送られた案内状。助手の文代とともに訪れた「呪」と題された見ず知らずの芸術家・伊志田鉄造の彫刻展、そこに飾られた作品は美術好きの明智をして「怪奇そのもの」と思わせ、また長男の太郎も「グロテスクが取り柄、気味が悪くて吐き気がする」と酷評するほどのものだった。その作品の1つに何者かが血のりを塗るという悪戯をしたが、それは伊志田の次女・悦子の仕業だった。そして明智と文代は自分たちを見ている女性の視線に気づく。彼女は伊志田の長女・待子で、明智に案内状を送ったのも待子だった。彼女は「伊志田家に悪魔が憑りついている」と明智に助けを求める。その日の夜、待子が聞いた不気味な笑い声。彼女からの電話でその声を聴いた明智は伊志田邸に向かう。そこで気を失って倒れていた待子を発見するのだった。伊志田家は複雑な家庭環境にあり待子は伊志田の先妻の娘、太郎・悦子そして三女のまり子は後妻との間にできた子供だった。そのため4人は決して仲がいいとは言い切れなかった。伊志田家に住み込むことになった明智だったが、そこに現れた黒ずくめの謎の人物のわなにはまり負傷してしまう。そして入院している間に伊志田家の人間が次々に殺されてしまう。残された黒水仙の香水の香り、時計台から懐中電灯で合図を送る謎の人物、その正体は?


タイトルバックからして不気味さが漂う「江戸川乱歩の美女シリーズ」第5弾、昭和53年10月14日放送の「暗黒星より 黒水仙の美女」。

今回の美女役は・・・家政婦の早苗役の江波杏子さんと待子役のジュディ・オングさんのお2人かな?

江波さんは「GMEN’75」や「GMEN’82」で津村冴子警部補役を後に演じられ、ジュディさんは79年にあの大ヒット曲「魅せられて」で歌手としても一躍有名になります。

その他にも太郎をフォーリーブスの北公次さん(暴露本「光GENJIへ」を書いたことでも有名に)、悦子を泉じゅんさん、たみを原泉さん、そして伊志田を演じたのが岡田英次さん。

岡田さんは後に「エマニエルの美女」、「鏡地獄の美女」にも出演されますが、回を追うごとに胡散臭さが増していってるような気がするのは僕だけか?


とにもかくにも注目すべきはやはり犯人でしょう。

全身黒ずくめで伊志田家の人間や明智小五郎を翻弄する、その軽やかすぎるほどの身のこなし。

屋敷の廊下を逃げる際にもバック転をしながら逃げるという、そこまでする必要あるのかよ!?と突っ込みたくなる行動。

まるで「導夢超女大戦」でのチャパリータASARIを髣髴とさせるような・・・って言っても分かりませんよね?

あとで犯人の過去の経歴から、ある程度納得できようなできないような・・・

その犯人が見せた「悪魔に相応しいダイビング」、望んでいた華やかさも観客からの拍手も音楽すらないその死は、美しくも悲しい・・・

それから家族を皆殺しにして財産の独占をたくらむ次女・悦子。

その考えもいやらしいけど、体の方もいやらしいですぜダンナ!

ヘタな男だったら簡単に籠絡されてしまいそうですが、そんな彼女の誘惑を軽くあしらうのが我らが明智小五郎。

「金と女性の誘惑に乗らないのが探偵の第一条件」と、探偵としての矜持を語る姿は本当にカッコいい!

ですが金のことは別として、美女には結構コロコロやられてまっせ明智さん。

その悦子を演じた泉じゅんさんが現在、あの料理評論家の結城貢さんの奥様となっていたとは・・・


そして次回は「妖精の美女」、前期美女シリーズにおける明智小五郎最大にして最強のライバルが登場します。