立川談笑独演会 東京芸術劇場 | 席亭こう生の落語的な日々

席亭こう生の落語的な日々

子供の頃からの落語好きが高じて、

いつの間にか落語会を主催する事に.....

全くの素人だった私がいかにいして

落語会を企画、運営しているのか

席亭こう生の落語的な日々...


八月に観た落語の感想も

九月に聴いた落語もアップしていないのですが....

書かずにはいられなかったので.....



今年に入ってから、談笑師匠のチケット入手がかなり困難になってきた

昨年までは発売日の午前中に事務所にメールを入れておけば

ほぼ間違いなくチケットは入手できましたが

今年の一月公演から、入手困難が続いています



先月、先々月とチケットが入手できず

二ヶ月ぶりの独演会



実は、6月の高座(以前から続いているが)の「明烏」

戸惑い、混迷、落ち着きのない様子が
私には感じられ、しばらくはいいかな?と思っていたのが、
チケットが遠ざかる原因だったかもしれないですね

以前のような、自信に満ち溢れた
あの狂気をも含んだような師匠の目がまた見たい!


果たして、昨日の高座.........実に素晴らしいの一言でございます!

私の中での「談笑復活」である



「時そば」



彼の鉄板ねたのひとつ



「寒くなると演りたくなるんですよ」の言葉とおり

師匠はこの噺が好きなのであろう

実に楽しそうに演じていた

会場もばか受け

会場をあたらめるには十分


中野の蕎麦屋にも久しぶりに行こうかな?(笑)




「紙入れ」

おかみさんは、ほとんど登場せず、

新吉と親方との心理戦が繰り広げられる

新吉のジェットコースターのような

感情の変化も笑わせてくれる

「もっと大事なものを忘れているよ」のさげも、実にシュール




「紺屋高尾」



「紺屋高尾」から、「ジーンズ屋よーこたん(ゆーこりん)」そして、「紺屋高尾」



この流れがあってこその昨日の「紺屋高尾」


メルヘンでもある古典の「紺屋高尾」を現代に置き換えリアルに(少々無理もあるが)

したのが談笑版「紺屋高尾」の「ジーンズ屋よーこたん(ゆーこりん)」


このメルヘンと現実のバランスが見事に融合した昨夜の「紺屋高尾」


古典を壊し、今、生きている人達の感覚、考え方を巧みに取り入れた改作落語

そして、その改作落語から古典落語へと昇華させる見事な一席でした

今後の師匠の落語の向かう新たな挑戦を感じられました



自分自身を投影しているかのように

真面目で、一生懸命に生き、自分の信じた事を貫く(いい意味でも悪い意味でも)

一本芯の通った人物を常に描いている師匠


師匠の落語に取り組む姿勢の通り常に新たなものへ挑戦される姿を
しばらくは見ていたいです


幕が閉まる時師匠の満足気な顔もを久しぶりに見た気がします



「談笑復活」と書きましたが「談笑進化」ですね



あっ!11月、12月、1月の独演会、買いそびれていました.....(涙)