違約による白紙解除ができないとは
先輩「え(そんなのおかしいじゃないか!!!)」
…
一見、違約だから白紙解除だと思われる内容ですが、理由がたくさんありました。
・引渡条件(解体更地)を満たしている相手に、引渡日の前日に、お金を払わないと言った場合、場合によってはこちら側が違約として訴えられる可能がある事
・白紙解除(契約がなかったことになる)とする場合、解体した建物の現状復帰を求められる可能があり、その費用は契約解除を申し出たこちら側も負担しなければならない可能性がある。(解体した古家と同じ規模の住宅を再建築して現状復帰するのは金銭的に無理)
・首つったとのことだが、売主が認めない場合、本当か証明するのに時間がかかる。
・首つった事件を売主が認めたとして、告知義務があったかどうか、経緯を確認して証明する必要がある。(告知義務を回避する段取りを経て売買に踏み切っている可能性もある為)
・このタイミングではなく、"契約前に知ることが出来たかもしれない"という過失がこちら側にもある
・似たケースで裁判に負けた凡例がある。
そして、これらすべて、弁護士をつけて法的に争わなければならない事による弁護士費用や労力と時間が掛かる事。又、万が一裁判で負けて白紙解除できなかった場合、建築工事を進められないので、その間、土地購入の為の事業用ローン返済の遅れで高金利の支払いがかさむ事や、引渡しが遅れることによる遅延損害金も請求される。
もろもろ加味して総合的判断をすると…
会社が出した答え
法務「白紙解除は難しいです。」
所長「承知しました。」
先輩「え…泣き寝入りって事ですか…」
…
このまま泣き寝入りをしたほうが損失が少なくなるというのが会社が出した答えです。
2000万円で買った土地に建物を乗せて、
4280万円で建売住宅の販売をする事業計画でしたが、目線を下げて考えなければいけなくなりました。
会社として、"告知事項"があることを知ってしまったからには隠して販売するわけにもいきません。(バレたら信用問題)
かくして、
売主は告知事項を
隠して無事、当社からお金が振り込まれ、引渡しを終えることに成功したのです。
落ち込む先輩
かわいそうですが、先輩は会社からも怒られてしまいました。
調査不足だ!!と詰められてしまいました。
そして、時は経ち
この建売物件がどうなったか、
次回完結です。