解体更地 ~ 引渡し
解体が終わりました。
先輩は、解体して更地になった様子を写真に納めます。
おや?
見覚えのある人が写真に写っていました。
先輩は、契約の時に来ていた"売り主の兄"だと思う。と言っていました。
物件から50mぐらい先の交差点付近
にいたので声をかけることもなく気づかないフリをしているうちに、いつの間にか居なくなっていました。
写真を撮り終わった時、
向かいの家のおじいさんが家から出てきました。
先輩「こんにちは!」
おじいさん「おぉぅ、こんにちは。」
先輩「また改めて挨拶に来ますが、来週引渡し受けてから造成工事しますので宜しくお願い致します!」
おじいさん「おぉぉ、1年ぐらい残っとったけど、ここ売れたんか。良かったなぁ」
先輩「そうですね。良いところだったので買わせて頂きました。」
おじいさん「まぁそうだけど、"よく"買ったなぁ」
先輩「はい!また来ますね!」
…先輩は事務所に戻りました。
引渡し日2日前
プルルルル
先輩「はい○○です!」
造成屋「お世話になります!今、工事の下見に来て、もう帰るところなんですけど、土地の真ん中から少し南のあたりに盛り塩があるんですけど何かあったんですか?」
先輩「え?…知らないです。この前行ったんですけどその時は無かったんですが…」
造成屋「あ、今、車の中でしゃべってるんですけど、何かおじさん来ました。」
…
…
造成屋「あ、塩持って帰りました。」
先輩「え!ちょっ!その人に何してたか聞いて貰ってもいいですか?」
造成屋「あ、はい!」
…ガサゴソガサゴソ
…
造成屋「あ、もしもし、あ、今ちょっと問い詰めてみたんですけど、親がここで亡くなったとかで数日だけ置いてただけだと言ってましたよ。」
先輩「ええ?何か怪しいですね。ちょっと行きますわ」
…
先輩現地到着。誰もいない。
向かいの家に灯りが。
ピンポーン
おじいさん「おぉ、あんたか」
先輩「夜分すみません、お聞きしたい事があって。」
先輩「何日か塩が盛ってあったみたいなんですけど何か知ってますか?」
おじいさん「おぉ、丁度このまえあんたが来た後、ここ家の…今は遠くに住んでるみたいだけど、息子さんの、お兄さんの方が来て置いてったよ」
先輩「…ここの親御さんが亡くなったような話も聞いたんですけど…」
おじいさん「おぉ、首つらはったみたいで当時はパトカーとかいろいろ来とって怖かったなぁ、知らなかったんか?」
先輩「…いや…初耳です…聞かせて頂き、ありがとうございます…」
…会社に戻る先輩。
仲介会社に電話
仲介会社「え、初耳です。」
会社に報告
所長「は?そんなもん本当なら違約だろ!すぐ法務に回せ!」
先輩「ですよね!ほんと腹立つ話ですよ」
法務部門に報告相談
法務回答
「違約による白紙解除はもうできません」
先輩「え」
つづく。
〈契約違反では?…現状復帰してくれないと…
なんで?…もう決済は明日…泣き寝入り?…
そんなのおかしいじゃないか!!!〉
次回、「発狂する先輩」