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諦めそうになる夜は、遠い記憶から言葉を一生懸命引っ張って来て、寝床をあっためる。


あの日、ひとりで家にいたくなくて、あの人と会って、お茶した。


嘘じゃないけど、特別って訳でもなくて。


自分の考えを、自分に問いかけるように述べて。


きっと、あの日のあの人も、私と同じだった。


人生って、いつも楽しい訳じゃないけど、いつも崖っぷちな訳じゃないからね。


安らぎと試練の繰り返しの中で。


その点と点を結ぼうとする鉛筆が、丁度半分に来ているなぁって時の、あの宙ぶらりんな感じ。


煮えても滾ってもない。


一緒にいた事は覚えてるけど、話した内容はよく覚えてない、水の中を赤いワンピースで泳いでいたような時間。


だけど、思うの。


そういう時間って大切だな、って。


人間ってお互いに、優しさとか涙とか預け合えるんだなって。


タイムカプセルみたいな感じ。


未来の私が困ってたら、今日の私が言ってた事、教えてあげてね、って。


私が覚えておけることなんて限られていて、日記書いてても、悲しい時それを開く元気もないし。


日々色んな事があるから、自分の事はどんどん忘れてくし。


道を見失った時、人に逢いたくなるのは、だからかな。


勿論1番の理由は、単純にその人達に逢いたい。


それと、願わくば、もう私が忘れてしまってる、いつかの私がその人に預けた言葉を聞かせてね、って。


その言葉に、


そっと耳を傾けて。


悲しい時は、自分を粗末に扱ってしまうけど、過去の自分の言葉を誰かの口から聞くと少し冷静になれる。


だから、私も大切な人の何気ない言葉をちゃんと覚えておこうと思う。


それで、その人がちょっと辛くなった時、本当の自分を忘れそうになってしまっている時、大丈夫だよ、って伝えたい。


だって、あなた私にあの日、夢を叶えるって宣言したじゃん、って。


だって、君、私に笑って頑張るからって言ったじゃん、って。


私の歌がこのブログを読んでくれてるあなたや君にとって、そんな存在だったら、嬉しいな。