![{736DF700-D7F2-4B89-949B-6D8BFB4712D9:01}](https://stat.ameba.jp/user_images/20140824/17/ieirileo/54/c2/j/o0480048013045010627.jpg?caw=800)
夢野久作さんの『瓶詰の地獄』を読みました。
「この切っ尖であんたの心臓をヒイヤリと刺しとおして、
その血のついた刃先を、すぐにズブズブと妾(わたし)の心臓に突き刺して死んで終おうと思っているのよ
トテモ気持ちのいい心臓と心臓のキッスよ。」
全部もっていかれた。
グロテスクな描写や、理解しがたい愉楽に、戦慄を覚えた。
それでも、それでも、読み進めてしまうのは、
普段は眠らせている、その残忍な欲望と、刹那の憂鬱を解き放ってみたい、
という自由への憧れがあるからだと思う。
短編の「人の顔」を気味悪がったあたり、私はもう、ある意味、大人なのかもしなれない。
そう思うと、なんだか、せつない。
いつまでも、空に雲の動物を見つけ続けたいなぁ。