{B7446BE1-2AC9-4958-9EFE-A7D6FA4303BB:01}


ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』。


国語の問題集でよく取り上げられていたせいで、改めて読んでみよう、とどうしても思えずに、ズルズルここまで来てしまっていた。


昨日書店に行ってみると、夏休みの推薦図書コーナーが出来ていて。


あぁ、もうこんな季節か、と懐かしげに学生時代に読んだ本をペラペラめくっていたところで、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』と再会を果たした。


20歳になる前に、学生時代の付け?のような気持ちを清算しておこうとレジに持ってったのだけど、やっぱり、読んでよかった。


ハンスが亡くなったことを、本当の意味で悲しんだ人はいたのかな。

ハンスの天分を活かしきれなかった、と嘆いた人たちは、沢山いたけど。

他の子より秀でた聡明さを持っていたから、もっと上を目指すべくして、小さい頃から勉強、勉強、で、見事、神学校に入学。

学歴を持っていない人たちを一段上から見下ろすことに優越感を持ってハンス、それしか持っていなかったハンス。

その優越感だけを信じて、神学校を卒業出来ていれば命を落とすこともなかったかもしれない。


でも、幸か不幸か、ハンスは、その優越感が何の役にも立たないことに気づいてしまう。


何にも考えずに、ただ野原を走り回っていればいい時に見つける煌めきを、ハンスは知らなさ過ぎた。


大人の期待に応えようとする純粋な子供に再現無く求め続けると、どんな結末を迎えてしまうか、ある程度予想はつくのに、これが正しい道だ、うちの子は大丈夫、この子が幸せになるために、と、悲劇が現実にならないと、本当の意味では皆、分かろうとしない。


大人になれば、考えたくなくても、考えなくちゃいけないことは、たくさんある。

子供が子供でいられる時期ってすごく短いから、多少面倒を起こしても、悪戯が過ぎても、片目を瞑ってあげられる人を大人っていうのかな、と思った。


勿論、お勉強は大事だけど。笑


素敵な本に出会えました。