灰谷健次郎さんの『兎の眼』を読みました。
少し、昔の作品ですが、色々な是非を論じているようですね。
私には、難しいことは、分かりません。
ただ、本を読んで、こんなに涙したのは、考えさせられたのは、感動したのは、はじめてでした。
『いまの人はみんな人間の命を食べて生きている。』
『平気で命を食べている人がいる。苦しそうに食べている人もいる。』
同じ時代を生きていても、同じことを経験しても、それぞれ違う感情が生まれる、切なさ。
勿論、それは喜びにも繋がりますが。
平気でゴミを捨てる人がいて、そのゴミを腰を痛めながら拾い、分別する人がいる。
その人を、良い人でいたいだけだろう、嫌なら拾わなければいいだろう、偽善者だ!正義の意味を履き違えている!、って責めるのは、すごく、悲しいことだと思います。
今上げた例は、大袈裟だし、誇張し過ぎているかもしれませんが、これに似た出来事が日常の真ん中で起こっている気がします。
自分は、そんなことしていない、と胸を張って言えますか?
自戒の意味を込めて問いかけてみましたが、残念ながら、私自身、そんなに立派な人間じゃないです。
甚だ、未熟な人間です。
いつもなら感動して、ひと息ついたら、もう次の本を手にとっていますが、今回は少し、自分なりに考えました。
感じる人が、苦しむ世界になって欲しくないです。