いつも、そうなのだ。
明日、明後日バタバタするから早めに寝よう、と
決めた日に限って、ベッドに入るのが遅くなる。
お風呂から上がった後、5分のつもりで机に向かっていたのに、
いつの間にか時計の針は深夜をまわっていた。
素足で作業していたせいか、足のつま先がすっかり冷えてしまって。
ベットに入っても、なかなか寝付けず、
暗い天井をぼうっと見ていたら、急に寂しくなった。
幼い冬。
母が夜勤に行ってしまう日は、母と2人で寝ていたベットから抜け出して、
階段を下り、祖父の布団に滑り込んだ。
豆電球がついた祖父の部屋は、いつも、懐かしい匂いがして、
枕を持って歩いて来た私を快く迎え入れてくれた。
「階段下りてきたけん、足が冷たかね。」
と私の小さな足に、あったかい自分の足をくっつけて温めてくれていたことを、思い出した。
その心地よい安心感の中で、幼い私は、また眠りの波に戻っていく。
幸せな時間だったな、と思う。
お正月ね、1日は、過ぎるけど、帰るけん。
待っとってね。