昨日の沖縄から帰り道。

大きなキャリーバックを引いて、やっと乗り込んだ電車。

時計の針は6時を指して、1日を終えた人達でいっぱいだった。

11月30日と12月1日。

何も変わらないはずなのに、確実に何かが変わっていた。

暖房が効きすぎた車内は、温かかった。

少し油断すると夢の中に連れ去られてしまいそうな心地良さと、駅に降り立てば待っている、やり残した日常業務への気怠さが混じり合っていて。

夕方特有の緊張感を生み出していた。

音楽を聴こうと、耳にイヤフォンをあてがった、その時。

前の座席に腰掛け本を読まれていた顔に、懐かしさを感じた。

最初は、他人の空似かと思ったけど。

でも、やっぱり、福岡時代に通っていた学校の礼拝で、毎朝見ていた人だもの、間違うはずがない、と。

老眼鏡を手に持ち、片手で本を読む姿を、窓越しに見ていた。

毎朝の礼拝。

つまらない説教の時は、(こんな言い方だめだね。でも、今よりもっと子供だったから。)寝ていたけど、その方が説教を担当される日は、ちゃんと話を聞いていた。



飾らない話し方が、好きだった。


私のことを覚えていなくても、知らなくても、いい。

そんなことより、東京の真ん中で偶然また、会えた奇跡の方が意味があることだし、すっごく素敵だ。

降りる駅が一緒だったら声をかけよう、と、決めた。

電車が停車して、席を立つ。

ドアをくぐって、確かめるように、振り向いた。




多分、来年、きっと、もっと、素敵な年になる。