太宰治の短編小説を、寝る前にひとつずつ丁寧に読むのが最近の決まりです。
前までは、読み始めて、ふっと顔を上げると、
窓の向こうに、朝日が、こんにちは、していることも、珍しくありませんでしたが、
太宰治は、もう亡くなっているのです。
もう、新しい作品が発表になることがありません。
生き急いで、読むより、時間をかけて、受け止めたいと思っています。
こんな書き方をすると、それこそ、ただの怠慢を、
必死に魅力あるものに結び付けようと、ちょろちょろ走り回っている馬鹿な鼬のようですね。
だけど、本当のことです。
最近、思うのは、陽の部分を相手に伝えるのは、難しい、という事です。
弱さや痛みや苦しみは、生きていれば誰しも感じることだから、信じられるけど、
綺麗なものや、透明なものは、綴れば、綴るほど、言えば言うほど、嘘っぽくなります。
だから、希望や、幸せを、テーマに作品を作っている方を、すごいと思います。
底なしに明るい音楽も、素敵ですが、
やっぱり私は、ちゃんと自分なりに意味を見出したいです。
そんな音楽を作りたいし、歌いたいです。