太宰治の「斜陽」を読みました。
冒頭は心地のいい文章からはじまるのに、
最後のページから顔を上げ、本を閉じた時は、なんとも言えない溜息をつきたくなります。
が、好きです。この作品。
でも、太宰が伝えようとしたことの、
半分も私、分かっていないです。
印象的な言葉は多くありましたが、
はっきりと理解できていないような感覚も、残りました。
人生を語るには、あまりにも私は未熟過ぎます。
ただ、私も年を重ね、いつか再読した時は、今とは違った感情を懐くと思うので、
未熟な思想は、未熟なうちにしか感じられないものなはず!、と、
いかにも未熟な動機で、此処に書いて置きたいのです。
(ある方が、人間は死ぬまで未熟、と言っておられましたが、今日は、いいことにします。)
生きることは、多分、きっと、恥ずかしいことです。
人に助けられて、同じように相手にも手を貸し、時には相手から奪って、はたまた盗まれて、
恋に出逢って、愛に破れて、世界を憎み、また愛で赦す。
そのサイクルの繰り返しな気がします。
綺麗なことばかりじゃないはずです。
破滅に向かっていく様を、美しく描いた作品でした。