春の嵐、という言葉があるように、
東京は風が強いです。
目に砂は入るし、髪はぐしゃぐしゃになるし、で
ちょっと外に出るのが億劫だけど、思ったんだ。
この風は、桜が、ずっと桜でいられる為のお手伝いをしているんだなって。
人って、私も含めてわがままだから、
努力をしなくても手に入るものや、見られるものを
ちょっと、おざなりにしてしまいがち。
でも、1年間で数日だけ綺麗に咲き誇る桜は、
ニュースにもなるし、みんな予定を空けてお花見に行ったり、カメラを片手に写真を撮ったりする。
普段、生きていて「花」自体が、決して珍しい訳じゃない。
探せば、道端にだって咲いているから。
でも、限られたものだと、人は、すごく欲しくなったり、手に入れたくなったりする。
だから、寂しいけど、
桜は、桜でいるために、毎年愛されるために、
これからも、短い期間でさようなら、することが、桜の品格を保ち続けることなんだろうな、って。
風は、その為に強い強い風を吹かせているんじゃないかな。
散り際でさえも、人の心に儚さを残していくなんて、
桜は、やっぱり、したたかで、美しい。